【環境適応能力発動】 黄:何だか、身体がむずむずするんだよぉ。 朱:加齢現象ですかね〜? 白:皮膚の下に新種のカビでも生えたんじゃない。 黄:好き放題言われるのも、随分と慣れたものなんだよぉ。 【意思とは無関係だし】 黄:そろそろ、脱皮の季節かも知れないんだよぉ。 白:あれって、年齢に関係無く続くもんなの? 黄:これがあるからこそ、黄龍にまで上り詰めたと言っても過言では無いんだよぉ。 青:今以上に強くなる気なのですか、あなたは。 【底辺っぽくて宜しい】 朱:でも〜、黄龍さんが強くなっても何の価値もありませんよ〜? 黄:面と向かって言われたんだよぉ。 青:そう思うのでしたら、少しやる気を見せて頂ければと思うのですけど。 黄:明日から、きっとやるんだよぉ。 白:ダメだ、こりゃ。 【期待が膨らむ】 朱:それにしても〜、脱皮したらもしかして、グラマーになったりするんですかね〜。 白:いやいや、時代のニーズに合わせて、むしろちまっこくなると見た。 黄:何だか、見た目は何も変わらないとは言い出しにくい空気になってきたんだよぉ。 【恒例行事なのか】 黄:足辺りが剥けそうなんだよぉ。 朱:ふ、ふに!? ず、ズルッといくものなんですね〜。 黄:肌色のタイツを脱ぐだけで驚かせられるのは、この時期だけなんだよぉ。 青:気絶する方も居たという事実は隠蔽するんですね。 【想像禁止】 黄:実際は、寝てる間に、綺麗に剥けるんだよぉ。 朱:全身くまなくですか〜? 白:頭皮辺りがどうなるのか、実に興味があるんだけど。 黄:そこんところは企業秘密なんだよぉ。 【効用はさておき】 白:にしても、黄龍の生皮だよ。何か、特異なマニアが買いそうな気もするんだけど。 黄:居ないと思うんだよぉ。 白:せめて漢方の材料になるとか。 黄:どちらかと言うと、西洋魔術の匂いがしないでもないんだよぉ。 【言うてやるな】 白:たしかに、齢を重ねたマムシの生皮って表現すればそれっぽいね。 朱:言葉は不思議ですね〜。 黄:まあ、朱雀の方がよっぽど不思議なのは、大前提なんだよぉ。 朱:ふ、ふに〜。 【只者では無さげ】 月:それにしても、聖獣は何かしら人間と違うところがあって面白い。 朱:神族は無いんですか〜? 月:まあ、強いて言うなら目も眩むくらい美形ってことくらい。 黄:この流れで言うとは、流石だと言わざるを得ないんだよぉ。 【色々と複雑で】 月:ちなみに例を挙げると、機械仕掛けの聖獣なんて中々居ない。 黄:あれは確実に、例外中の例外なんだよぉ。 【それこそ神懸かり】 朱:私の場合は〜、背中の翼ですよね〜。 白:……あ〜。 月:そう言えば、そんなものもあった。 朱:こ、このリアクションは何なんですか〜? 黄:性格が何より特異だなんて、口が裂けても言えないんだよぉ。 【鑑定士気取りか】 月:このネコミミ、本物と見紛う質感。 白:厳密にはトラミミなんだけど。 黄:と言うより、本物なんだよぉ。 月:いや〜。実に良い仕事してる。 黄:絶対に言いたかっただけなんだよぉ。 【どう広げたら】 月:こうなったら、私も何か付随させようと思う。 黄:脈絡が分からないんだよぉ。 月:月の女神なんだから、満月の夜に男へ変身する特典を付けようとか。 黄:確実に、一発ネタになること受け合いなんだよぉ。 【投げっ放し専門】 朱:一夜限りの恋って考えればロマンティックですね〜。 黄:何て自由な発想力なんだよぉ。 白:その時の落とし種が、後のかぐや姫である。 黄:どいつもこいつも、収集する気概を見せて欲しいものなんだよぉ。 【朱雀も良い勝負】 月:でも、かぐや姫の両親は謎に包まれてるから、私との関係性は否定出来ない。 黄:自分のことなのに分からないって姿勢はどうなんだよぉ。 月:まあ、昔はカグツチ兄さんの屍骸から数多の神が産まれる様な時代だったから。 朱:し、神族って良く分かりません〜。 【歩くブラックボックス】 月:十拳剣等、神器の類を噛み砕く。神族を切り刻む。禊をする。 これが代表的な神産みの例。 黄:とんでもであることは間違いないんだよぉ。 白:こうなったら、私達も何か新しい後継者の作り方を考えようか。 黄:朱雀が一匹居れば、それで充分だと言っておくんだよぉ。 【生理機能は良いのか】 白:代謝って大事だよね。 黄:物凄く当たり前のことを言われた気がするんだよぉ。 白:爪も伸びれば、血も毎日生まれてくるからこそ、狩りを続けられる訳で。 黄:何だか、感謝の仕方が随分と偏ってる気がしてならないんだよぉ。 【お前が言うか】 朱:それでも〜、髪が伸びるスイッチを切れれば、 小まめに散髪しないで済むとか思うんですよね〜。 黄:仮にも女の子として、その枯れた発想は如何なものかと思うんだよぉ。 【お掃除好き好き】 白:でも、その気持ちも分かるな〜。季節の変わり目に、 そこら中が毛玉だらけになる面倒臭さを考えるとそれも良いかなって。 黄:やたらと実感が籠もってるんだよぉ。 月:まあ、詰まる所、ガサツで不精なのがいけないということ。 黄:それを言われると、身も蓋も無いんだよぉ。 【だって暇だし】 白:私達、仮にも一国を守護する聖獣なんだから、使用人くらい欲しいよね。 朱:何処かに、適任の人は居ないものですかね〜。 黄:何かを期待するかの様にこっちを見られても困るんだよぉ。 【素敵に理不尽】 黄:何でメイド服を着せられてるんだよぉ。 白:いや。やっぱ、こういうのは形からかなって。 黄:この手の格好をすると、大昔、奉公に出た頃のことを思い出すんだよぉ。 月:その話、長くなりそうだから、カットで。 黄:裁量権を握られてることが釈然としないんだよぉ。 【小鳥暴走中】 黄:まあ、面倒だから語る気は無いんだよぉ。 朱:か、語るのも躊躇われる程、辛い体験があったんですね〜。 黄:何だか、勝手に脳内保管をされてるんだよぉ。 【家政婦は見た気もする】 白:いやいや。私の読みだと、陰湿で凄惨な人間模様を目の当たりにして、 耐え切れずに逃げ出したと見たね。 黄:何処かに、そんなドラマがあった気がしてならないんだよぉ。 【自由人だから】 朱:突き詰めると〜、脱皮をしても家政婦さんでも〜、黄龍さんは黄龍さんなんです〜。 黄:綺麗に纏められても困るんだよぉ。 白:じゃあ、敢えてドロドロした感じでの締めを模索してみようか。 黄:何でそう、極端から極端に走るんだよぉ。
|