邂逅輪廻



【言いたい放題】
白:朱雀研究家として、新説を提唱するわ。
黄:そんな肩書きもあったんだよぉ。
白:複雑になりがちな人間関係も、朱雀っぽい言い回しをすれば少し和むのよ。
黄:それは唯単に、頭の弱い子として相手にされてないだけなんだよぉ。


【愛玩動物的ではある】
朱:日本国は〜、八百万の御霊に守られた神の国なんです〜。
白:見てよ、この清々しいまでのトゲの無さ。
黄:むしろ自身の反論に確信さえ覚えたんだよぉ。


【頭脳が汚染済みか】
朱:原子力は〜、温暖化ガスを排出しない新時代のエネルギーなんです〜。
黄:検証の為に、微妙に無駄なリスクを背負っている気がしてならないんだよぉ。


【事実だけどさ】
白:でも、この手法って案外、日常生活に溶け込んでるものだったりする訳で。
朱:ふに?
白:政府とか消費者金融とかって、キャラクターイメージで色々誤魔化してるじゃない。
黄:ここでいきなり、真面目な話をされても返答に困るんだよぉ。


【年齢差は放置】
白:でも、イメージで誤魔化すって美味しいよねぇ。
黄:ミイラ取りが見事なミイラなんだよぉ。
白:お姉様〜。私、お姉様をお慕い申し上げていますわ〜。
黄:ここまで清々しいと、むしろ言うことは無いんだよぉ。


【ありがちだけどさ】
白:とまあ、こういう風にキャラを売っておけば、多少行き過ぎた甘えやストーキングも、
 純愛の一言で済ますことが出来るのよ。
黄:何だか、生々しすぎて、これまた返答に困るんだよぉ。


【出番少ないから】
白:あらあら〜。皆さんお元気そうで何よりですわ〜。
黄:これもまた、定番中の定番なんだよぉ。
朱:私のお母さんに似ているのは気にしないんですか〜?
黄:そこは色々、大人の事情という奴が絡んで来るんだよぉ。


【そこはメイクの力で】
白:いっそのこと、今から女優とか目指してみようかな。
黄:勝手にすれば良いんだよぉ。
朱:ネコミミ役のお仕事しか出来ませんね〜。
黄:現実問題として、立ち塞がるものは大きいのかもしれないんだよぉ。


【政治の基本だよ】
白:次に、朱雀の天然ボケは計算では無いかという疑惑が持ち上がってる件ですが――。
朱:ふ、ふに?
黄:前々から、怪しいとは思っていたんだよぉ。
白:御近所の声もこの様に芳しいものでは無く――。
朱:か、完全な情報制限に依る世論操作じゃないですか〜。


【負の螺旋階段へようこそ】
朱:わ、私は〜、断じて計算キャラなんかじゃありません〜。
白:この様に、あくまで天然であると主張する朱雀被告ですが――。
黄:何だか、どっちに転んでも旨味が無い気がするんだよぉ。


【中国ならあるだろう】
白:そーいや、ベジタリアンの中には動物を殺したくないからって人が居るんだっけ。
黄:白虎には理解出来ない世界なんだよぉ。
白:いやさ。その理屈で言うと、トカゲの尻尾料理は問題無く食べられることになるんだけど。
黄:その発想は白虎にしか出来ないんだよぉ。


【裏街道の人々】
朱:同じ理屈で〜、摘出腎臓でしたら調理しても問題ありませんね〜。
黄:どいつもこいつも、真っ当な思考回路というものを備えて欲しいものなんだよぉ。


【韻だけで勝負】
白:ふに〜だむ。
黄:またしても、何やら言い出したんだよぉ。
白:来年の流行語辺り狙ってみようと思うんだけど。
黄:とりあえず中身についてはさっぱりなのが痛いところなんだよぉ。


【新手のボケ潰し】
朱:ふに〜だむは〜、古くは春秋戦国時代に生まれた我が国独自の感覚で〜、
 そもそもどうしてこの言葉が生まれたかと言いますと〜。
黄:ふむふむなんだよぉ。
朱:な、何で止めてくれないんですか〜。
黄:何処まで粘るか、見てみたかったに決まってるんだよぉ。


【微妙に哲学】
白:それにしても、本格的に意味不明だよね。
黄:言った本人が既にこれなんだよぉ。
白:自由っていうか、むしろ地べたまで堕ちきった脱力感さえ滲み出てるよね。
黄:ある意味に於いて、本当の自由なんてのはそこにあるのかもしれないんだよぉ。


【殆ど飛べないし】
朱:たしかに〜、上空は風も強いですし距離感も狂いますし〜、
 世間の人が思う程、自由じゃないかも知れませんね〜。
黄:まあ、そんな小鳥の意見は、参考程度に処理させて貰うんだよぉ。
朱:お、思いっきり軽んじられました〜。


【お話は明快に】
白:私、凄いことを発見したわ。
黄:一体、どうしたって言うんだよぉ。
白:もう、物凄過ぎて、数々の大学が、
 客員教授職を持って来るんじゃないかってくらいの大発見よ。
黄:無駄な能書きだけなら、そこらの教授と良い勝負なんだよぉ。


【使い道プリーズ】
白:ここにあるのは、朱雀の羽よ。
黄:そう言えば、生え変わる時期なんだよぉ。
白:これで鼻の先をコチョコチョするとね。
黄:……ふ、ふにっ!?
白:どんな人でもふにと鳴いてしまう。そんな効用があることが判明した訳よ。
黄:極々一部に特殊な需要がある以外は、何の価値も無い研究発表なんだよぉ。


【ごもっともで】
白:何言ってるのよ。気難しい上司とかに使えば、
 ほら、職場があっという間にフランクに。
黄:そんな羽をいきなり押し当てることが出来る環境なら、
 既に充分、フランクな職場なんだよぉ。


【好奇心と長年の恨みで】
白:でも、麒麟には一度で良いからふにって鳴かせたいよね。
黄:その話、一枚噛みたい自分が居るんだよぉ。


【続・謎の奇声】
白:それにしても、元々ふにふに言うのに使ったらどうなるのかな。
黄:余計な好奇心が疼くんだよぉ。
白:ほーら、こちょこちょ。
朱:……はみゅん!
黄:微妙に滑った匂いがするのは、気のせいじゃない気がするんだよぉ。


【ダウジングっぽく】
朱:偉大な聖鳥である朱雀の羽の力が〜、この程度のものである訳がありません〜。
黄:大した自信なんだよぉ。
朱:トレカのレアカードを選別するとか〜、そんな能力が隠されているに違いないですよ〜。
黄:その機能は、要らない人には何処までも要らないものなんだよぉ。


【他人など知るか】
白:でも、非破壊検査でのサーチングはコレクター永遠の憧れだよね。
黄:大人買い以上に迷惑だから、絶対にやめて欲しいものなんだよぉ。


【実に不名誉な話】
朱:お、黄龍さん〜。軒下に羽を吊るしておいたら、何だか木の実が置いてあったんです〜。
黄:それは多分、お供え物として捧げられたんだよぉ。
白:朱雀としてのアイデンティティが、羽の方が上ってことだね。
朱:ふ、ふに〜。


コント連載中



 ネット小説ランキングさん(現代ファンタジーコミカル部門)にて「それゆけ黄龍ちゃん!」を登録しています。御投票頂けると、やる気が出ます(※一作品につき月一回有効。複数作品投票可能)。

ネット小説ランキング:「それゆけ黄龍ちゃん!」に投票


サイトトップ  小説置場  絵画置場  雑記帳  掲示板  伝言板  落書広場  リンク