邂逅輪廻



【限りなく無駄な努力】
朱:女の子に生まれたからには〜、女王様を目指そうと思うんですよ〜。
黄:出来もしないことを、良く言えるものなんだよぉ。
月:夢を大きく持つのは、実に良いこと。
黄:現実性と達成感を秤に掛けた上で選んで欲しいものなんだよぉ。


【奇跡のミスマッチ】
朱:女王様とお呼びです〜。
白:ん? 何か言った?
朱:い、いえ。お腹空いてませんか〜?
黄:何処からどう見ても、可能性をまるで感じないんだよぉ。


【本当に使えない】
月:ここで取り出したるは、私の催眠術スキル。
黄:混乱に拍車を掛けるだけだから、自粛すべきなんだよぉ。
朱:ふにっ!? ふにふに! ふにふに〜!?
月:どうやら、言語体系を失念したらしい。
黄:四の五の言わず、とっとと元に戻すんだよぉ。


【個人欲求優先】
朱:い、一生このままかと焦りました〜。
月:それはそれで、可愛いから許す。
黄:発想が殆どオッサンなんだよぉ。


【只の疑問形】
朱:女王様に必要な物は〜、氷の精神なんです〜。
黄:何か、色々と間違ってる気がしてならないんだよぉ。
朱:一体それが〜、どうしたって言うんですか〜。
黄:とりあえず、その間延びした声と敬語を何とかしない限り、
 どうにもならないんだよぉ。


【天然威圧姫】
月:一体それが、どうしたって言うの。
黄:この、睨んだだけで人を殺せる程、冷え切った眼差しあってこそなんだよぉ。
朱:お、お師匠様と呼ばせて下さい〜。
月:何だかさり気に、物凄い言われよう。


【証拠はビザ取得】
月:とりあえず、女王様に必要なものは脚力。
黄:まずいのを乗らせたんだよぉ。
月:今日中に、走ってロシアの国境まで行って帰ってきて。
朱:そ、そんなこと人間業じゃありません〜。
黄:まあ、端っから人間では無いんだよぉ。


【使えなさは異常】
月:特別に、翼を使うことは許可する。
黄:歩いた方が、ナンボかマシな程度の代物なんだよぉ。
朱:ふ、ふに〜。


【ある意味魔球】
月:次は、肩を鍛える為に、遠投五十球。
朱:ふに〜!
白:記録、二メートル。
黄:砲丸でさえ、ここまで飛ばせない人材は中々居ないんだよぉ。


【師匠から監督へ】
月:この肩では、投手適性は無いのかも知れない。
黄:野球には、全てのポジションに送球機会があるんだよぉ。
月:こうなったら、代打一筋で活路を開くしかない。
黄:主旨が確実に逸れてきたんだよぉ。


【益々袋小路に】
朱:わ、私は〜、由緒正しい鳳凰の一族の令嬢ですから〜、
 箸より重いものは持ったことが無いんです〜。
黄:その発想は無かったんだよぉ。
月:野球の世界は、血統や家系なんかじゃなく、実力が全て。
黄:そしてその発想はどうかと思うんだよぉ。


【過ぎ去った時間を返せ】
朱:つ、月読さん〜。バットが重くて、腕が痛くなってきました〜。
月:結論として、朱雀に野球は無理。
黄:出来れば、最初の段階で気付いて欲しかったものなんだよぉ。


【細かいことは気にするな】
月:それでは、必殺技を授けようと思う。
朱:私のこの手が〜、真っ赤に燃えるんですね〜。
黄:微妙に、危ない橋を渡っている気がしてならないんだよぉ。


【逆でも可】
月:月読流格闘術秘奥義、月読キーック。
黄:随分と、シンプルなネーミングなんだよぉ。
月:時たま、拳を繰り出す時にも使うのがポイント。
黄:それは只の詐欺的行為なんだよぉ。


【驚くに値しない】
月:袴がこんなにゆったりと作られているのは、足捌きを読ませない為。
朱:わ、私に巫女装束を着せたのには、そんな深い理由があったんですね〜。
月:いや、それは単に可愛いから。
朱:ふ、ふに〜。
黄:まあ、この流れは予想済みなんだよぉ。


【純粋は罪悪】
月:逆説的に考えれば、足の動きには相当量の情報が含まれているということ。
朱:勉強になりますね〜。
黄:基本中の基本なんだよぉ。
月:つまり、飛ぶことに依って戦うことが出来る朱雀は、最強になれる素質を持っている。
朱:そ、そうだったんですね〜。
黄:騙す騙されるの研究に於いて、これ程、優良な被験者は居ないに違いないんだよぉ。


【つい勢いで】
月:食らえ、必殺ドラゴンフィンガー。
黄:神族の分際で、龍族の名を騙らないで欲しいんだよぉ。


【血縁だったような】
月:でも、一応神族だけど、女性に扮して、酒で酔い潰して、
 ようやく下っ端の龍族に勝った男を知っている。
黄:涙無くして語れない、ちっぽけな男の物語なんだよぉ。


【科学的敗北】
朱:ふに〜!
黄:一体、何をしているんだよぉ。
朱:上方から攻撃することで〜、その分のエネルギーを加えることが出来るんです〜。
黄:地上高三十センチで水平飛行だと、むしろ重心は下がってるんだよぉ。


【アホにしか出来ない】
白:おっかしーな〜。昔、山賊を全滅させた時、五十メートルの崖から駆け下りて、
 主力を一瞬で蹴散らしたんだけど。
朱:そ、そんな恐ろしいこと、出来る訳無いじゃないですか〜。
黄:どちらかと言うと、勇気と決断力のみが必要とされる技なんだよぉ。
白:微妙に、褒められてない気がするんだけど。


【ダメな弟子だ】
月:はっはっは。実は私こそ、極悪形骸党の大幹部だったのだ。
黄:悪ノリが始まったんだよぉ。
朱:ひ、引き裂かれる師弟なんですね〜。
黄:そしてこっちは、本気で信じたんだよぉ。


【絆復活まで約二秒】
月:ふっふっふ。実は党の情報を得る為に潜入していたのだ。
朱:流石はお師匠様です〜。
黄:何とも短いハイライトだったんだよぉ。


【ボケ飽和状態】
白:ちっ。もう少し使えると思ったが、まあ良い。
 お前の様な奴は掃いて捨てる程居るのだよ。
黄:悪ノリなら、こっちも負けて無いんだよぉ。
朱:お師匠様の悪口は許さないです〜。
黄:もう完全に、収集が付かない状態なんだよぉ。


【余計な再就職】
白:はっ。私は何を!?
朱:目が覚めたんですね〜。
月:恐るべきは、形骸党の洗脳能力ということか。
朱:許すまじは党首黄龍ということなんですね〜。
黄:そしていつのまにやら、大悪党に仕立て上げられてるんだよぉ。


コント連載中



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