邂逅輪廻



【家事に潤いを】
朱:灯油を移す時に〜、ぽふぽふする奴あるじゃないですか〜。
白:きゅぷきゅぷじゃない?
黄:どっちでも良いんだよぉ。
朱:あれを〜、ふにふに言うように改良すれば売れ行きが上がりませんかね〜?
黄:一瞬のブームでさえ、起こせない確信があるんだよぉ。


【本当だろうか】
月:そういう話だったら、砂浜で使う足踏み式の空気入れが最適。
白:あー。あれだったら、たしかにふにふにっぽい。
朱:改良も最小限で済みそうですね〜。
黄:今日も今日とて、お国は実に平和なんだよぉ。


【虚仮か尊敬か】
朱:ブラックホールを生み出す方法を開発しようと思うんですよ〜。
黄:こと自由な発想に限っては、勝ち目を全く感じないんだよぉ。
月:世の中には、負けた方が名誉な戦いも多い。
黄:それを聞いて、少し安心したんだよぉ。


【根拠は無い】
白:ホワイトホールって、ブラックホールが吸い込んだものを吐き出すんだっけ。
月:物理学的には、存在していないというのが通説。
白:でも、吐き出された時、何か新品になって若返る気がしない?
黄:それは興味深い話なんだよぉ。
青:そこで食いつかない様、お願いします。


【呆れてるだけかも】
月:ヒヒイロカネを、生産再開しようと思う。
朱:日本神話における伝説の金属ですね〜。
黄:一体、どういうつもりなんだよぉ。
月:新品の神器が大量に出回れば、必然的に姉さんの権威が下がる。
黄:その執念だけは、本気で舌を巻くんだよぉ。


【日本刀で皮剥き】
白:ふむふむ。ダイヤモンドより硬く、決して錆びない金属なんだ。
黄:悪巧みの匂いがするんだよぉ。
朱:それにしても、草を刈るのに使うなんてもったいないですね〜。
月:所詮は、姉さん直系の子孫がすることだから。
青:どうあっても、そこに持っていくのですね。


【神器でジョリジョリ】
白:見えたわっ! 髭剃り技術に流用すれば、一儲け出来る!!
黄:実に平和的且つ、小さい使用法なんだよぉ。


【濃ゆい話】
朱:私は〜、金属バットに使えれば良いと思ったんですけど〜。
月:打高投低が続く高校野球界に拍車が掛かるから却下。
黄:たしかにそれは、興を削ぐんだよぉ。
青:普通に会話を成立させないで下さい。


【気付く方が異常】
月:とりあえず、十拳剣を打ってみた。
朱:十個の拳分の長さから名の付いた剣ですね〜。
月:須佐之男が天叢雲剣に気付かず、刃毀れさせたことで有名な剣。
青:普通、尾に太刀が埋まっているとは思いませんけどね。


【名剣天之尾羽張】
月:或いは、母さんを失ったことでブチキレた父さんが、
 迦具土兄さんを切り刻んだことでも有名。
黄:本格的に、碌なエピソードが無いんだよぉ。


【正しくは輝くの意】
朱:そう言えば〜、カグツチさんとかぐや姫さんって〜、何か関係があるんですかね〜?
月:迦具という言葉には、親に迷惑を掛けるという意味合いがある。
朱:そ、そうだったんですか〜。
月:まあ、大嘘だけど。
黄:思い付きで適当なことを言わないで欲しいんだよぉ。


【行が分かりづらい】
白:それにしても、火の神様なのに迦具土っていうのが納得いかないんだけど。
黄;正しくは火之迦具土だから大目に見るんだよぉ。


【心の髄まで】
白:一昔前、ベルリンの壁の欠片って流行ったじゃない。
黄:そんなこともあったんだよぉ。
白:あれの新バージョンとしてさ。天岩戸の欠片を売り出したら儲からないかな?
天:な、何を言うのですか! 私はあれを抱いていないと、
 精神が不安定になって、夜も眠れないのですよ!
黄:一体、何処までトラウマなんだよぉ。


【待つ身は辛いよ】
月:実に良い話を聞いた。
黄:そこで喜ぶのもどうかと思うんだよぉ。
月:とりあえず日記に書き綴って、使える日を楽しみに待つ。
黄:むしろ、即断で使うより恐怖感があるんだよぉ。


【デマカセなら負けない】
月:姉さんが須佐之男と誓約した時、十拳剣を噛み砕いたとされている。
朱:す、凄い歯の力ですね〜。
月:そのことから歯科学会では、強烈過ぎる顎能力の持ち主をアゴテラスと言う。
青:良くもそこまで適当なことを言えますよね。


【残りカス疑惑】
月:ちなみに、その時に生まれたのが、タキリ、サヨリ、タキツの三姉妹。
朱:随分と華やかですね〜。
月:須佐之男は、自分の心が潔白だから女神が生まれたと主張した。
黄:その理屈だと、須佐之男が生まれた時、
 どれだけイザナギが穢れていたという話になるんだよぉ。


【そりゃ自由だけど】
朱:須佐之男さんの奥さんのクシナダヒメって〜、
 お兄さんのお孫さんらしいですね〜。
黄:しかも八人姉妹の末子なんだよぉ。
月:須佐之男がロリコン呼ばわりされる最大の要因。
須:おまーら、人の恋愛に口を出すんじゃなき!


【伴侶無くとも子沢山】
月:そのことにショックを受けた姉さんは、未だに結婚が出来ない。
天:そ、それは月読も一緒じゃないですか!
黄:何処と無く、論点がズレてきた気がするんだよぉ。


【本人の問題じゃない】
月:ギリシャ神話には、アポロンとアルテミスという双子の神様が居る。
白:たしか、そっちも太陽と月を司る神様だっけ。
月:これがまた、異常なまでに仲が悪いことで有名。
黄:宿命とでも言いたげな物言いなんだよぉ。


【未遂で終わった】
月:アポロンは、アルテミスとオリオンの恋仲を快く思わず、
 アルテミスを騙して、オリオンを射殺させた。
白:何、その昼ドラ風味?
月:このことを応用して、姉さんに恋人を殺させようとしてみた。
青:一人身相手では、さして実行性の無い計画ですね。


【同じ月神として】
月:アルテミスは、狩猟を司る女神でもある。
朱:そうなんですか〜。
月:数々の者を射殺した伝説は、枚挙に暇が無い。
黄:生弓を持ち出して、何の真似なんだよぉ。


【真紅の紋様】
月:いつの日か、姉さんを射抜くことを夢見て、今日も西瓜を射る。
黄:半ば、猟奇殺人現場と化してるんだよぉ。


【そして親近感】
朱:それにしても月読さん、色々な神器を持ってますね〜。
月:基本的には、レプリカ。
白:へー。作るの面倒そうだけど。
月:どうせ神話の表舞台に出てなくて暇だったから。
黄:さりげなく、歴史の闇を垣間見た気がするんだよぉ。


【八咫鏡に続き】
月:一通りの神器をコピーする為、借りて返してを繰り返してる内、
 真贋の見分けがつかなくなった。
朱:た、大変なことじゃないですか〜。
月:いやー。我ながら実に若かったと思う。
黄:その一言で済ませられる精神が大したものなんだよぉ。


コント連載中



 ネット小説ランキングさん(現代ファンタジーコミカル部門)にて「それゆけ黄龍ちゃん!」を登録しています。御投票頂けると、やる気が出ます(※一作品につき月一回有効。複数作品投票可能)。

ネット小説ランキング:「それゆけ黄龍ちゃん!」に投票


サイトトップ  小説置場  絵画置場  雑記帳  掲示板  伝言板  落書広場  リンク