【一次欲求先行】 朱:そう言えば〜。昔、四方の守護は五龍の皆さんがやってたらしいですけど〜。 白:あ〜、聞いたことあるかも。赤龍、黒龍、白龍だっけ? 黄:遠い昔の話なんだよぉ。 白:ねえねえ。やっぱ、良い男だったの? 黄:他に問う所は無いのかと、問いたい所なんだよぉ。 【若さ故】 朱:それで〜、どうして居なくなったんですか〜? 黄:三龍とも、仲間の女に手を出そうとして、逆に追い出されたんだよぉ。 白:へー、随分と良い女が居たんだね。 黄:今も目の前に居るんだよぉ。 【今夜は鳥鍋】 朱:ふに。面白い冗談ですね〜。 黄:たしか、肉切り包丁があったんだよぉ。 青:無益な内輪揉めは御免ですよ。 【只の偶然】 白:しっかし、昔は男の方が多かったんだね。 黄:そう言えばそうだったんだよぉ。 白:何でまた、今みたいに女だらけになっちゃった訳? 黄:きっと、青龍の趣味なんだよぉ。 青:適当なことを言う癖は、何とかした方が宜しいかと。 【これでも客人】 ?:頼もぉ! 朱:お客さんですか〜? 黄:明らかに道場破りのノリなんだよぉ。 白:はいは〜い。どちら様ですか〜? 黄:そして、家主の如き対応は流石なんだよぉ。 【黒龍だけに】 ?:拙者、黒龍と申す者。黄龍に会いたく参上致した。 白:黄龍〜。何か山賊みたいな人が用だって〜。 黄:自己紹介は、早くも黒歴史扱いなんだよぉ。 【およそ五千年の空白】 黒:ふっ、久し振りだな、黄龍。 黄:あれだけタコ殴りにして、良く生きてるものなんだよぉ。 黒:舐めるなぁ! たしかに、気付いてみたら王朝制が終焉していたり、 新型の独裁国家になっていたりして驚きはしたがな。 黄:どうやら、目覚めたのは極最近らしいんだよぉ。 【これが若さらしい】 ?:くけけ。 朱:こちらはどなたですか〜? 黄:どうやら、赤龍らしいんだよぉ。 白:何で表現が曖昧な訳? 黄:殴りすぎて、顔が原型を留めてないんだよぉ。 【過剰防衛疑惑】 赤:けけけ。 白:ってか、いわゆるパンチドランカーなんじゃない? 黄:純然たる正当防衛だったんだよぉ。 【概ね五つくらい】 黄:セクハラする奴は人間じゃないって、アメリカ最高裁も認めてるんだよぉ。 白:ツッコミ所が多過ぎて、捌ききれないんだけど。 【とりあえず舐めてみる】 朱:そう言えば〜、白龍さんは居ないんですか〜? 黒:ぬ、ぬぅ。奴はな――。 白:ああ、ついに黄龍も前科者に。差し入れにはちゃんと鰹節持っていくからね。 黄:そんなものだけ持ってこられても、何の役にも立たないんだよぉ。 【偽名はセバスチャン】 黒:ええい、勝手に殺すな。奴は、ちと顔が良いのを利用して新たな職に就いただけじゃ。 赤:かかか。 朱:ホストさんでも始めたんですか〜? 黒:いや、執事だそうだ。 黄:実務と顔は、さして関係無い気もするんだよぉ。 【ある意味大物】 黒:まあ良い。今日現れたのは、朱雀に白虎。お主らに戦いを挑む為じゃ。 朱:ふ、ふに〜? 黄:一体どういう理屈なんだよぉ。 黒:この様な小娘が四神を名乗るとは堕ちたもの。 今こそ、我らがその任に相応しいと見せ付ける為よ。 黄:その女性蔑視で痛い目見たことを、全く懲りて無いんだよぉ。 【竜虎相打たず】 白:ん〜、私は別に良いけど。 朱:い、良いんですか〜? 黒:ふっ。その潔さだけは認めてやろう。だが、勝負は別――。 窮:うにゃー!! 黒:ぎゃー!! 白:はい、私達の勝ち。 黄:虎だけに、忍び足はお手の物なんだよぉ。 【龍なのに負け犬】 黒:ふ、伏兵とは、卑怯なり……。 白:いや、戦いなんて勝てば何だって良い訳だし。 黄:普通、それを言うのは年上なんだよぉ 【縁側でお茶してる】 黒:せ、赤龍……後は頼んだぞ。 白:あー、悦に入ってるとこ悪いんだけど。 黄:赤龍は既に、朱雀に懐柔されてるんだよぉ。 白:やっぱ、ボケた者同士、気が合うみたい。 黄:それは気持ち、言い過ぎなんだよぉ。 【核心衝くの禁止】 朱:今日は晴れて良かったですね〜。 赤:かかか。 朱:洗濯物も干せて気持ちが良いです〜。 赤:くくく。 黒:あ、あれで何故、会話が成り立つんだ。 黄:聖獣界のニューウェーブを舐めないで欲しいんだよぉ。 青:天然なだけですけどね。 【否定出来無い】 黄:それにしても、朱雀は誰と組んでも違和感無いんだよぉ。 白:まあ、朱雀の場合、存在自体が大オチだからね。 【飛距離測定不能】 黒:こ、これで終わったと思うなよ。我々の力はこんなものでは――。 麒:邪魔だ。 黒:ごぐぇげみたえれば!? 麒:全く。天下の往来で下らぬ答弁とは、世も末だな。 黄:だからって、いきなり放り投げるのは実に問題なんだよぉ 【黄龍も餌食に】 黒:こ、小娘。小癪な――。 麒:はっ! 黒:でげどごぉ!? 黄:あれが麒麟の必殺技、掌破爆岩殺なんだよぉ。 青:何度見ても、只の平手打ちですが。 【割と同類】 黒:ママン。僕、おうちに帰りたいよ。 黄:あまりの威力に、人格へ多大な影響を及ぼす邪拳なんだよぉ。 赤:けけけ。 黄:敢えて、後ろのことは気にしないんだよぉ。 【事実捏造はお国柄】 朱:ふに? 黄龍さんは〜、昔は違う性格だったんですか〜? 黄:深窓のお嬢様とは、実に的確な表現だったんだよぉ。 青:責任転嫁は感心しませんね。 【むしろ恨みつらみが】 麒:ああ。私の掌を受けて何も変わらなかったのは黄龍が最初で最後だな。 朱:その時お二人に友情が芽生えたんですね〜。 黄:それこそ紛れも無い事実捏造なんだよぉ。 【天の帝様か】 白:黄龍ってつまり、何千年経っても年下に翻弄されてる訳? 黄:お生憎様なことに、年上にも踊らされ続けてるんだよぉ。 朱:ふに〜?
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