【所詮は元蝮】 白:そーいや、黄龍のうちって、季節構わずコタツがあるよね。 黄:変温動物には、時に命の綱となることがあるんだよぉ。 朱:た、大変なんですね〜。 黄:季節外れの寒波は、この年になっても難敵なんだよぉ。 【お風呂でユデダコ】 白:でも、夏場なんか、流石に暑っ苦しくない? 黄:ずっと日陰だから、意外と涼しいものなんだよぉ。 朱:私は〜、耐えられそうに無いです〜。 黄:それは、自分が炎の鳥だというのを自覚して無いからなんだよぉ。 【何よりも食欲】 白:あー、でも蒸し焼きってのも中国的で美味しそう――。 黄:微妙に話が逸れてきたんだよぉ。 【日中頂上対談】 黄:唯、たまに妙なものが住み着くのが難点なんだよぉ。 白:仔猫の類とか? 黄:その昔、とある引き籠もり女王が居た時は本当に驚いたんだよぉ。 朱:ふに!? だ、誰か入ってます〜。 ?:びえっ!? ご、ごめんなさい! 狭くて暗い場所があるとつい入りたく――。 黄:天照、久し振りなんだよぉ。 【典型的苛められっ子】 白:天照っていうと、弟の軍事的圧力と嫌がらせで引き篭もった、 最高神とは思えない根性無し? 黄:少しはオブラートに包むんだよぉ。 天:うう……えっぐ……えっぐ……。 黄:そしていい加減、泣きやむんだよぉ。 【否定は出来無い】 朱:まさしく〜、二千年に及ぶ日本国弱腰外交の元祖なんですね〜。 黄:さりげにとんでもない毒舌なんだよぉ。 【説得力皆無】 天:わ、私だって好きで天岩戸に入った訳じゃないです! 白:ほへ? 天:あの日の占いで、出来るだけ日陰で過ごす様にと出たんです。 黄:子供の言い訳なんだよぉ。 【天然最強論発動】 朱:天照さんって〜、太陽神だったと思うんですけど〜。 天:え〜っと……。 黄:まともに対応される方が困る典型なんだよぉ。 【むしろ暴言】 黄:まあとりあえず、お茶でも飲んでいくんだよぉ。 白:粗茶だけどね。 黄:人の台詞を取らないで欲しいんだよぉ。 【大差無い】 朱:ところで思ったんですけど〜。 天:何ですか。 朱:黄龍さんと天照さんって〜、ニート対引き籠もりの頂上決戦ですよね〜。 黄:まるで、特撮怪獣映画扱いなんだよぉ。 【龍なのに鳥頭】 白:そーいや、天照って、最近は下界に姿を見せないらしいけど、何してるの? 天:暇を見ては、旅に出ております。 朱:ふに? 黄:要は、須佐之男にやられた心の傷がまだ癒えてないんだよぉ。 白:オブラートに包むのは何処行った訳? 【挨拶代わり】 麒:邪魔するぞ。 黄:うるさいのが来たんだよぉ。 麒:お、天照。ついに属国になる覚悟を決めたのか。 天:びえっ!? 黄:この会話も、何か聞き飽きたんだよぉ。 【無能疑惑再燃】 麒:失礼な奴だな。人を鸚鵡か何かみたいに言うな。 黄:今の政府を見ていると、少なからず、なんだよぉ。 【こっちは輝かない】 麒:ところで、月読は元気にしているのか? 昔、大喧嘩したと言っても、親交が無いのは寂しいぞ。 天:妹は、私と違って真面目ですから。逃げ続けている私と違って、 夜を司るという職責をきちんと全うしています。 麒:そうか。 天:正しく、日陰者の人生です。 黄:ギャグのセンスは相変わらずなんだよぉ。 【芸人殺し】 朱:あ〜。夜を司るのと、日が当たらないのが掛かってるんですね〜。 黄:時間差で気付くのは、一番残酷なんだよぉ。 【時代を先取り】 朱:そう言えば〜、天照さんのお父さんってイザナギさんですよね〜? 天:ええ。日の本の国を産み出した、創世神に当たります。 朱:妹のイザナミさんと結婚した〜、妹萌えの家元みたいな人ですよね〜。 天:い、いえ、それは――。 黄:今も尚、日本人に強く根付いてるんだよぉ。 【ちなみに子供八人】 麒:そーいや、須佐之男命もお前を慕ってなかったか? 天:あ、いえ、その……。 黄:シスコンだらけで、困った家柄なんだよぉ。 【噂の我が侭坊や】 黄:おまけに、須佐之男はマザコンで、母イザナミに会いたいと、 泣きやまなかったことでも有名なんだよぉ。 白:はぁ〜、見てきた様に言うんだね。 黄:神獣界の口コミネットは、甘くないんだよぉ。 【むしろブラックリスト入り】 麒:お前なぁ。八岐大蛇を倒した英雄譚とかも語ってやれ。天照が泣き出すぞ。 黄:下っ端とは言え、龍族を殺した奴を褒めるなんて土台無理な話なんだよぉ。 【一応、実の弟】 朱:つまり〜、須佐之男さんは現代日本社会に蔓延る、 マザコンで横暴な夫に苦悩する妻を神話の時代から体現していたんですね〜。 白:そう表現されると、物凄いダメ人間に聞こえるんだけど。 黄:実際、器的には大したこと無いんだよぉ。 天:あの〜……。 麒:少しは表現を選べ、お前ら。 【顔と神格を併せ持つ男】 黄:須佐之男の良い所と言ったら、かなりの美形なことくらいなんだよぉ。 白:……(ピクッ)。 麒:そこで露骨に反応するのもどうかと思わないのか。 【不遜なる客人】 黄:まあ、いつでも遊びに来るんだよぉ。 天:ありがとうございます。 白:うんうん、何も無いところだけど、ゆっくりして良いから。 黄:だから何で白虎が言うんだよぉ。 【羽が珍味とか】 白:次、来た時には、世にも珍しい小鳥の丸焼きを用意するから。 朱:ふに〜。それは楽しみですね〜。 黄:気付いてないのは、ある意味、大した物なんだよぉ。
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