【まあ色々と】 白:む〜。ん〜。う〜。 黄:その、構って欲しいオーラ全開は、何のつもりなんだよぉ。 白:いやさぁ、白虎になる前の名前で手紙が来たのよ。 黄:それの、何が問題なんだよぉ。 白:開けたら爆発とかしないかなぁ、って。 青:ここに来るまでに一体、何をしていたのですか。 【戻れない闇】 白:ほらさ。うちの両親、『血の無い戦場はあっても、奴らが居ない戦場は無い』 って言われるくらい凄腕の傭兵だったからさ。逆恨みとかあるのかな〜って。 黄:あまり深入りしたくなくなってきたんだよぉ。 【それが僕らの白虎様】 白:え〜い、もう考えるの面倒だから開けちゃえ〜。 青:要するに、思考に費やした時間は無駄だと認める訳ですね。 【ちなみに四凶の一角】 白:えっと、何々。『きゃほ〜、お姉ちゃん。私、 今度中国近辺で働くことになったから、機会があったら会おうね〜』 黄:妹が居たことに、さりげなく驚愕なんだよぉ。 青:そう言えば、生き別れていたと聞いていましたが、良かったですね。 白:うーん、それがありついた仕事、窮奇なんだって。 黄:姉妹揃って、後先を全然考えて無いんだよぉ。 【麒麟だけに駿馬】 朱:窮奇さんって〜、何者なんですか〜? 黄:大昔、都で暴れまわって西方に追いやられた四凶の一人なんだよぉ。 青:少なくても前任は非常にひねくれた性格で、 善人を見ると鼻を食べ、悪人を見ると獣を貢ぐ奴でしたね。 朱:何だか〜、麒麟さんと馬が合いそうですね〜。 黄:居ないと思って、言いたい放題なんだよぉ。 【やっつけ後任】 青:それにしても、新任を据えるとは、先代は一体どうしたというのですか。 朱:もしかして〜、悲しいお知らせなんでしょうか〜? 白;いや、何でも昨今、中国企業が爆発的成長を遂げた関係で、 株関連の驚異的な収入を得たから東南アジアでハッピーリタイヤするって。 黄:聖獣界も、そこはかとなく侵食されてるんだよぉ。 【典型的ダメ公務員】 白:ん〜。何はともあれ、久々に会いたいな〜。という訳で青龍。四凶の監視は私、 西方を守護する白虎のお仕事だから、出張扱いで宜しくね。 黄:この百年で、口先だけは大した成長なんだよぉ。 【血税垂れ流しの実態】 青:私もついていきますよ。白虎だけで心許ないですから。 白:あらら。信用無いな〜。 朱:だったら〜、私も行ってみたいです〜。 黄:そして、慰安旅行の様相を呈してきたんだよぉ。 【完全放任主義】 窮:お姉ちゃん、久し振り〜。お互い、悪運強いよね。 白:うんうん。お父さん達に、『世界を見て来い』って追い出されたの、二百年くらい前だっけ。 黄:やっぱり、何度聞いても、豪快な両親なんだよぉ。 【とりあえず食欲】 窮:ん? その小鳥って、手土産? 朱:ふ、ふに〜? 黄:流石は姉妹と言わざるを得ないんだよぉ。 【早速体験】 窮:それと、そっちのお兄さんってカレシ? 青:一応、直属の上司に当たるものですが。 白:小うるさいし、細かいし、嫌な上司の典型なのよ。 青:本人を目の前にして言うのは問題ですよ。 【何時でも辞める気】 窮:ところでお姉ちゃん、今、何してるの。 白:うん、中国でフリーターかな。 黄:神聖な四神職をバイト扱いとは大したものなんだよぉ。 【ダメ元だった】 白:だって、百年前、求人広告に『急募長寿の虎。経験不問』って書いてあったし。 青:本当にそれで見つかるとは思わなかったですけどね。 【レア物限定】 白:私、未だに時給制なんだよ。せめてアメリカドルかユーロで 頂戴っていう嘆願も聞き入れて貰えてないし。 黄:浮世の貨幣なんて、千年も経てば無価値なんだよぉ。 青:骨董価値が出る場合は有りますけどね。 【年収は一年分】 青:実は当初、鰹節辺りで交渉してみたのは、良い思い出です。 黄:流石にそれは舐めすぎなんだよぉ。 【十年契約完了済み】 窮:えぇ〜!? こっちの世界では、猫科は鰹節が相場って聞いたんだけど。 黄:そして若干天然が入ってるんだよぉ。 【どうせ負けない】 朱:ラ、ライバルさんなんですね〜。 青:対抗しなくて良いですよ。 【褒めてるかは微妙】 窮:でも鰹節美味しいし、これだけあれば飢え死にしないし、ま、いっか〜。 青:姉に性格がそっくりですね。 【遺伝子は裏切らない】 窮:ところで今更なんだけど、窮奇って、何をすれば良いのかな? 黄:こんな所も、姉に良く似たものなんだよぉ。 【要はそういうこと】 青:四凶に与えられた任務は西方から来る魑魅魍魎の類を滅することです。 先代らが全うしていたかと言われると、微妙な話なのですが。 窮:ん〜。つまり西欧諸国の経済的、軍事的外圧から中国を守れば良い訳? 黄:そうはっきり言われると、身も蓋も無いんだよぉ。 【爆弾姉妹結成】 白:今後、何処が世界の覇者になるかなんて分からないんだから、 きちんとあっちの国に媚び売るのを忘れないでね。 窮:うん、分かったよ、お姉ちゃん。 青:そういう話は、せめて二人きりの時にして下さい。 【むしろ急落の予感】 黄:実に難儀な子だったんだよぉ。 朱:白虎さんが〜、二人に増えたみたいでした〜。 白:つまり、中国聖獣の評判はこれから鰻上りってことよね。 青:自覚が無いのは罪だとしみじみ思います。 【殆ど住み込み】 黄:今、帰ったんだよぉ。 朱:やっぱり我が家が一番です〜。 黄:お約束ありがとうなんだよぉ。 【西方防衛はどうした】 則:そなたに、来客ぞ。 黄:嫌な予感がするんだよぉ。 窮:こんばんは〜。いやー、コタツって温かくて良いよね〜。 黄:普通に今後が心配になってきたんだよぉ。
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