【感心しすぎて呆れた】 白:朱雀風呂っていうのを考えたわ。 青:一応、話だけは伺いましょう。 白:まず、大きな瓶を用意するのよ。そこに水を張って、ひん剥いた朱雀を放り込んで少し待てば あら不思議。朱雀の熱で、お湯が沸くって寸法よ。 黄:よくもまあ、そこまで下らないことを思い付くものなんだよぉ。 【寒いの嫌い】 白:でもこれって、つまりは鶏がらスープってこと? 青:ある意味に於いて、烏骨鶏などよりよっぽど高級なのですが。 則:しかし、せめて不老の力が無ければ役に立たぬぞ。 黄:みんなして言いたい放題なんだよぉ。 朱:私〜、入りませんから〜。 【白秋、朱夏、玄冬】 白:青春、って単語の由来が青龍だって聞いたんだけど。 青:ええ、私の節季は春ですから。木行に於ける色は青ですし。 白:の割に、青龍自身は妙に枯れてない? 青:きっと、皆に分け与えて減ってしまったのでしょう。 黄:微妙すぎる説得力が素敵なんだよぉ。 【恒星並です】 白:黄龍とか青龍って何千年も生きてるらしいけどさぁ。 トリウム232の半減期、百四十億年に比べたらまだまだだよね。 青:何に対抗しているのですか、あなたは。 【これでも一万歳以上】 白:にしても、何千年も生きるって感覚が分からないのよ。私達にしてみると、 長生きしてる存在は妖怪って言われるくらい、老獪でしたたかな印象があるわよね。 青:人それぞれですよ。幾ら長寿であろうと、成長しない方も少なくありませんし。 黄:こっちを見るのはやめて欲しいんだよぉ。 【無垢は罪】 朱:ところで〜、一つ良いですか〜? 青:何でしょうか。 朱:妖怪も聖獣も〜、基本的には同じものだと思うんですけど〜。 黄:気付かなかった振りをしたのに、蒸し返すとは大したものなんだよぉ。 【知的好奇心旺盛】 青:まあ、私達龍族の寿命は無限ですから、ある意味に於いて異質な存在なのですがね。 白:ってことは、テロメア再生機能とか持ってる訳? そう言えばトカゲの例もあるし、腕が取れても生えてくるとか。 黄:寝込みを襲って試しそうな勢いなんだよぉ。 【動揺皆無】 白:青龍にラブロマンスの思い出とか無いの? 青:いきなり何を言い出すのですか、あなたは。 白:いや、あったらあったで面白いかなぁ、って。 麒:あるぞ、とっておきのがな。 青:一つとして、心当たりが無いのですが。 麒:ちっ。鎌掛けには乗らないか。 【堕ちゆく獣達】 白:黄龍は知らない? 何しろ、一番付き合い長いし。 黄:記憶を遡れる限り、何も無いんだよぉ。 白:って言うか、黄龍と何かあったりってことは無いの。折角、種族同じなんだし。 青:法が整っていれば、侮辱罪で訴えたい発言ですね。 黄:むしろ、その言葉の方が傷付いたんだよぉ。 【まだまだ未熟者】 白:むー、何千年も恋してないなんて、一体、何が楽しくて生きてるのよ。 青:そうですね。楽しみと言って良いかは分かりませんが、 新任の四神が、一人前になった時などはそれなりに満足感を得ていますよ。 白:いや〜。そんなに褒められると照れるわね〜。 麒:冗談か、無自覚なのかは知らんが、とりあえず一発殴らせろ。 【今、何個目だ】 青:猫は九つの命を持つとは言いますが、虎はどうなってるんです。 白:ふぎゃ!? う、うーん、これがまた厄介でね。猫よりは少なそうってことしか分かってないのよ。 青:つまりは、八つ以下と? 白:平均すれば五、六個ってとこなんだけどね。 でも、二つ以下の場合もあれば、十越える変り種も居るし。 青:生き返れるかどうかは、死んでみないと分からない訳ですか。 白:お蔭で、軽々と命賭けられないのよ、これが。 青:元来、命とはそういうものですがね。 【ダブルツッコミ】 朱:命は〜、唯一無二で、失われるものだから価値があるんです〜。 黄:定期的に命を一新する朱雀に言われてもなんだよぉ。 青:その上、血は不老不死の妙薬なんですよね。 朱:ふ、ふに〜〜。 【CIAが採用】 則:不老不死と耳にしたので、参ったぞ。 黄:一体、どんなセンサーを搭載してるんだよぉ。 【尊敬してないから】 麒:しかし良い話を聞いたな。いざと言う時は白虎を捨石にすれば良いということか。 白:ふえ!? ちょ、ちょっと待ってよ。 黄:上に立つ者としては、当然の判断なんだよぉ。 白:黄龍に言われると、無性に腹が立つのは何でかな。 【口は災いの何とやら】 麒:組織を潰すには、ナンバー2を狙えとは良く言うが、うちの場合、お前の方が厄介だからな。 青:褒め言葉として受け取っておきます。 朱:こういうのって〜、傀儡政権って言うんでしたっけ〜。 麒:中々囀ってくれるな、小鳥。 【朱雀は小鳥】 白:昔から思うんだけど、小鳥とか雛って名前、何か違和感があるのよ。 おばちゃんになっても、お婆ちゃんになっても、雛って不思議じゃない? 青:それは、主観に過ぎないと思いますけど。 白:という訳で、今後は年齢に応じて、雛、小鳥、つぐみ、すずめ、燕とか名前を変えていけば良いのよ。 黄:完全に出世魚状態なんだよぉ。 【応龍で既に三千歳】 白:黄龍だって、蝮、蛟、龍、角龍、応龍を経てるんだから、似たようなものじゃない。 黄:種族名と固有名詞を混同しないで欲しいんだよぉ。 【真相は不明】 白:ところで、何で青龍って、黄龍と色が違えば、行も違う訳? 種族は一緒なんでしょ。 麒:それは私も気になっていたんだがな。 黄:多分、生息地が違って、餌も違ったからなんだよぉ。 青:出来れば、ダーウィン辺りに謝ることをお薦めしておきますね。 【自明で必然で運命です】 朱:ライバルは〜、八咫烏なんです〜。 白:だったら私は、鵺を選ぶわ。 青:あなた方は本当、何処まで日本通なんですか。 黄:気にした方が負けなんだよぉ。 【見事に実力伯仲】 則:ふむ。そこを攻めるとは、中々にやりおるの。 黄:伊達に何千年も生きてないんだよぉ。 朱:お二人共、囲碁ですか〜? 黄:二人で出来る暇潰しとして、最適なんだよぉ。 則:ここまで、妾の二万三千二百五十六勝、二万三千百九十六敗じゃ。 青:それは最早、暇潰しの領域を超えている気もしますが。 【軍師レベル】 黄:ちなみに、青龍には勝った記憶が無いんだよぉ。 則:ならば妾は受けぬぞ。勝てぬ戦はせぬ主義じゃ。 朱:チャンピオンは負けを許されないんですね〜。 青:それは少し、違う気もしますが。
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