【血や肉になるもの】 朱:そろそろ、空を飛べるようになろうと思うんですよ〜。 則:ふむ。たしかに四神の一角ともあろうものが地べたを這いずる小鳥と言うのは、ちと心象が悪いの。 朱:それで〜、白虎さんに教えを請おうと思うんですよ〜。 白:わ、私? 朱:数多くの野鳥を胃に収めてきた白虎さんなら、朝飯前なんですよ〜。 黄:冷静に考えなくても、かなり無茶苦茶な論理なんだよぉ。 【中国理論至上主義者】 則:しかし、食ろうた物の力を得ると言うのは、至極真っ当な発想ぞ。 黄:この国以外だと、割とマイナーなんだよぉ。 則:ならば、問題はなかろうて。 【それは関係無い】 白:それじゃ、いっちょ挑戦してみますか。大丈夫。誰だって飛び立つことが出来るんだから。 朱:お願いします〜。 黄:何だか、夏休みに泳げない子を指導してるみたいなんだよぉ。 則:すくみずとやらを用意した方が良いかの。 【スパルタ軍もビックリ】 白:うん、じゃあ、とりあえずここから飛び降りて。 朱:こ、ここからですか〜? 白:千尋の谷は基本だよね。 黄:それは確実にライオンなんだよぉ。 【足がガクガク】 朱:わ、私、高い所はダメなんです〜。 黄:早くも、間違い探しの様相を呈してきたんだよぉ。 【ほんのりブラック】 白:それじゃ、何事も習うより慣れろだから。 朱:ふに? 黄:あ、白虎の蹴りを、すんでの所で躱したんだよぉ。 朱:い、今、本気で蹴落とそうとしてました〜。 白:だって泳げない子は沖合いに捨てれば、全員泳げるようになるし。 黄:それは唯、泳げた人しか生き残れないからだよぉ。 【弟子を選ぶ】 白:しょうがないな〜。じゃあ、流体物理学の観点から飛行法を検討するけど、 常に羽ばたいている必要は無いの。羽の膨らませることで揚力を得られるから、 ある程度の高さで水平移動したいんだったら、グライダーの要領で行けるからね。 後、扇ぐ時は羽の隙間を閉じて、戻す時は開けないと、結局プラスマイナスゼロになって、 只の扇子になっちゃうから気を付けた方が良いかな。 朱:ふに〜〜、何だか、論理的です〜。 黄:師匠としては、中間が無いのが実に問題なんだよぉ。 【悲しいお知らせ】 朱:色々と大変です〜。でも、お母さんもやったことだから、頑張ります〜。 黄:今までの朱雀達は、みんな最初から飛べてたんだよぉ。 朱:……。 白:あらら。自分が落ち零れだって気付いちゃった。 【四神の一角だってば】 則:こやつがおると、部屋を暖める必要が無くて良いの。 白:ほんと、ぬくぬくだよね〜。 朱:お役に立てて光栄です〜。 黄:何だか、物凄くスケールの小さい話をしてる気がするんだよぉ。 【打算こそ我が人生】 則:じゃが、夏場はちと厄介よの。 白:その時はあまり近付かないでね。 朱:わ、分かりました〜。 黄:そして二人共、友達に利用価値を求めるタイプなんだよぉ。 【エコロジー】 白:ん。朱雀、屋根の上で何してるの? 朱:私〜、太陽の光を浴びて、エネルギーを蓄えないといけないんです〜。 白:そこはかとなくツッコミどころが多くて、ビックリしたよ。 【人聞きが悪い】 黄:白虎、白虎。ちょっとこれを見て欲しいんだよぉ。 白:うん。ミカンの皮がどうしたの? 黄:こうするんだよぉ。 白:ふぎゃ!? 黄:猫って匂い嗅いじゃうから、潰すと汁にやられるんだよぉ。 白:うう。私、黄龍に弄ばれちゃった。 【年中やってる】 黄:日本では、猫が顔を洗うと雨が降るって言われてるんだよぉ。 白:うんうん。私は、朝昼晩、一日三回は確実にするけど。 黄:全くもって、何の役にも立たない知恵袋なんだよぉ。 【その酉もドジだったのか】 朱:そう言えば、寅って、十二支で三番目ですよね〜。酉なんて、十番目です〜。 白:えっへん。 青:これはその昔、天帝へ新年の挨拶に来た順番だとされています。ネズミとウシは日が登る前に 出立していたそうなので、足だけを比べるなら、トラが一番と言うことになりますね。 ネコがネズミに騙され、寝過ごして数に入らなかったと言うのは余談ですが。 白:足には昔から自信があるんだ。具体的に言うと、百メートル三秒切る位。 青:それは聖獣としてどうなのか、分かりづらいと思いますよ。 【女王様気質】 白:蜂蜜って美味しいよね〜。働き蜂が必死に集めてきたものを横取りしたって考えると、 気持ちが一層満たされるよ〜。 黄:それは、白虎だけなんだよぉ。 則:妾もそうじゃぞ。 黄:敢えて失念してたんだよぉ。 【聖獣七不思議】 白:朱雀の羽ってちゃんと生えてるんだよね? 朱:ふに。当たり前です〜。 白:でも、それっておかしくない? シャツに切れ込みは入ってるけど、付け根より本体の方が大きいし。 朱:それは、企業秘密なんです〜。 白:むー。このままじゃ気になって眠れない! 知恵の輪みたいに外すコツがあるのかな? 朱:く、くすぐったいから、やめてください〜。 青:中々にエロティックな光景ですね。 黄:確実にそんなこと思ってないんだよぉ。 【最高級品質】 白:まあ折角だから毛繕いしてあげるね。シャッシャカシャ〜っと。こことか痒くない? 朱:気持ちいいです〜。 青:意外と面倒見が良いようですね。 黄:後で枕にする気なだけなんだよぉ。 【手頃だから】 青:それはそれとして、アンクレットを御存知ですか? 白:足に嵌める飾りのこと? 青:ええ。あなた方を見ていたら、子供の時に嵌め、 成長したら抜けなくなったという逸話を思い出しました。 黄:冷静に考えると、結構怖い話なんだよぉ。 白:うーん。でも、そういうの聞くと、試してみたくなるよね。 朱:な、何でこっちを見るんですか〜? 【言うなれば、刀にリボン】 白:世の中の女の子って良く分かんないよね〜。 黄:いきなり何なんだよぉ。 白:付け爪とか、マニキュアとかさぁ。武器を飾ってどうしようって言うんだろうね。 黄:根底から、認識にズレが生じてるんだよぉ。 【プライド皆無】 黄:猫って、獲物を飼い主の所に持ってくる習性があるんだよぉ。 青:一説に依ると、狩りの仕方を指導していると言われていますが。 朱:上から見られてるんですね〜。 白:ねえねえ。山でイノシシ獲って来たから、今日は牡丹鍋にしよ〜。 黄:でもこの際、役得は有り難く受け取ることにするんだよぉ。
|