邂逅輪廻



【天敵襲来】
黄:……(ガクガクブルブル)。
朱:黄龍さん、どうしたんですか〜? まだ夕方なのに布団に包まって震えてますけど〜。
則:うむ、昼に手紙が届いての。それ以来、ずっとあの調子じゃ。
朱:手紙ですか〜?
則:そうじゃ。だが、あそこまでなるものなのかの。
朱:ちょっと失礼します〜。『今晩邪魔する。麒麟』。実にシンプルな文面です〜。
則:問題はそこでは無かろうて。


【まるで壊れた玩具】
?:……(ガンガンガン)。
朱:な、何ですか〜?
?:……(ガシャラララーン)。
則:ほう。硝子戸の割れる音じゃの。
朱:何でそんなに冷静なんですか〜?
黄:……(ビクッッッ)。
則:あやつの反応を見ているのが面白くての。


【国際派黄龍】
?:おい、黄龍。蹴飛ばして開けられないから引き戸はやめろと言っただろう。
黄:や、やぁ、麒麟。チャオでハローでこんばんはだよぉ。
則:見事なまでの錯乱状態じゃの。


【布団大活躍】
朱:始めまして、麒麟さん〜。私、今度朱雀を務める――。
麒:お前か。私に挨拶もせず、黄龍のところに入り浸ってる小鳥は。
朱:ふに?
麒:良い度胸だな。後で青龍と白虎に処遇を決めてもらうことにするか。
朱:……(ガクガクブルブル)
則:今度は御主が籠もるのかえ。


【いじめっ子体質】
麒:成程。母親と同じく、からかい甲斐がある奴みたいだな。
黄:相も変わらず陰険なんだよぉ。


【雑兵蹴散らせキャンペーン】
黄:それで一体、何しに来たんだよぉ。
麒:ああ。最近、仕事が立て込んでてな。主として、朱雀や玄武が不甲斐無いせいだが。
朱:……(ビクッ)。
麒:いや、今のはわざとじゃないんだが、こいつ、面白いな。
則:ほう。そなたとは話が合いそうじゃの。
黄:こっちはこっちで嫌なコンビが結成されたんだよぉ。


【便利な影武者】
麒:まあ、そういう訳で少し疲れてな。旅に出ることにした。その間、中央の守りは任せた。
黄:ふえ?
麒:こういう時、スペアが居ると融通が効いて良いな。
黄:さりげなく屈辱的な台詞を吐かれたんだよぉ。


【或いは店番】
麒:ちなみに、一泊二日の慰安旅行だ。
黄:近所の人にペットを預けるレベルなんだよぉ。


【則天武后が言うと深い】
則:良いではないか。二日とは言え、転覆を狙うのであれば好機ぞ。
黄:た、たしかにその通りなんだよぉ。
麒:黄龍にそんな度量は無いという判断での提案だけどな。
黄:反論出来無い自分が情けないんだよぉ。


【コンロで淹れた】
朱:ど、どうぞ〜。お茶を入れました〜。
麒:ああ、済まん。お前の母親が自らの炎で淹れた茶は絶品だったからな。
 期待して良いのだろう。
朱:……(カタカタ)。
麒:どうした。盆が揺れているぞ。
黄:本当に意地が悪いんだよぉ。


【むしろ黄龍包囲網】
青:失礼します。
朱:あ、青龍さんです〜。
黄:こっちは何なんだよぉ。
麒:私が呼んだ。
朱:ふに?
麒:私が中央を守護する様になってから変わってないのはお前らだけだからな。
 旧交を温めるというのも悪くないだろう。
黄:その表現が正しいのか、真面目に考えさせて欲しいんだよぉ。


【基本的に味方じゃない】
則:しかし、中央と東南を守護する者が居らぬ状況は流石にまずくは無かろうか。
麒:心配するな。青龍がうるさいだけで、意外と適当なものだ。
 黄龍に中央の守護が務まる時点で自明だろう。
則:成程の。
黄:その頷きは、素直に受け入れられないんだよぉ。


【連想ゲーム】
麒:それで鍋なんかどうかと思う。人数に関係無く、好きな量を食べられるからな。
朱:具材はどうしますか〜?
麒:……若鶏の水炊きなんかどうだ?
青:今、朱雀を見て決めましたね。


【お約束は忘れない】
朱:では、買出しに行ってきます〜。
則:あやつに任せて大丈夫かえ。何しろ鳥頭というくらいじゃからの。
黄:ちゃんとメモを持たせたから大丈夫だよぉ。
則:じゃが、その覚書を忘れた様じゃぞ。
黄:え゛?


【くどい様だが炎の鳥】
麒:まあ、何も買ってこなかったらあいつ自身を湯掻けば良いだけだ。
黄:熱湯くらいじゃ、絶対にのぼせたりしないんだよぉ。


【はじめての何とやら】
朱:只今帰りました〜。
則:ほう、無事に帰ってきたか。
青:一つくらい欠けていた方が面白いのですけどね。
麒:頭を撫でてやろう。
朱:ふに〜。
黄:こういうテレビ番組、観たことあるんだよぉ。


【激甘党】
麒:ところで出汁の基本はチゲで良いか?
黄:そ、それだけは勘弁して欲しいんだよぉ。


【白虎は鳥目】
黄:はふはふ。つみれが良い感じなんだよぉ。
朱:ふーふー。
青:葱を食べると頭が良くなりますよ。
麒:誰に向かって言ってるんだ。
朱:ふーふーふー。
黄:さっきから何してるんだよぉ。
朱:私〜、猫舌なんです〜。
黄:中々ややこしい展開なんだよぉ。


【もちもちしこしこ】
麒:最後に煮込むのはやはりきし麺が一番だな。
青:中国聖獣として、看過して良いのですかね。


【長生きしてるのに】
麒:ふう、食った食った。
朱:幸せです〜。
青:少し調子に乗ってしまいましたか。
黄:うーん、うーん。食べ過ぎたんだよぉ。苦しいんだよぉ。
則:御主が一番の子供よの。


コント連載中



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