※黄:黄龍 則:則天武后 朱:朱雀
【元四神の主と女帝】 黄:マイナー聖獣って言うなぁ!! 則:どうしたのじゃ、唐突に。 黄:うん。私、この国じゃ、激微妙なポジションらしいから、アピールだよぉ。 則:ふむ、それもそうじゃ。妾もやってみるかの。 黄:認知率5%未満なんて言うなぁ! 則:楊貴妃などと混同するでない! 【神々の小さな争い】 黄:ふ……ふふふふ……麒麟の奴、私の座を奪った報いを受けると良いんだよぉ。 則:何をしておるのじゃ? 黄:これはブードゥーって言ってね。遙か遠くの国の呪術だよぉ。 則:良くは分からぬのじゃが、妾の国の者共に、その様な物が効くのか? 黄:それは分からないけど……。 則:けど、何じゃ。 黄:風水や、陰陽術の力の源はあいつ等なんだよぉ。 則:難しきものよの。 【人間世界に浸かり過ぎ】 黄:黄龍ナメんなぁ! 四方の中心なんだよぉ! 偉いんだよぉ! 則:見苦しいのぉ。蹴落とされたのであれば、這い上がれば良いであろう。妾はそうしたぞ。 黄:でも、それは強い人の論理だよぉ。 則:御主、幻獣であろうが。 【麒麟は所詮キリン】 黄:大体さぁ。白虎なんて只の色素欠乏症だしさぁ。朱雀は暑っ苦しいし。 青龍は蒼龍だか何だか知らないけど、食欲無くなる色だしさぁ。 玄武なんて亀と蛇だよ? 爬虫類は引っ込んでろって感じだよぉ。 則:そなた、愚痴り始めると、キリがないのぉ。 【小学生レベル】 黄:今年の目標を立ててみたよぉ。 則:この、年の瀬の時期にそれを言い出すとは、護る気が無いように聞こえるのじゃが。 黄:まあ、それはそれとして。挨拶をきちんとすると、一日一善だよぉ。 則:御主、本当に幻獣かえ? 【泣いてなんかないもん】 黄:時代は今、民主主義なんだよぉ。 則:ほう。なんじゃ、それは。 黄:国を治める君主を、民衆が決めるっていう、最近流行りの国政方法だよぉ。 則:ふむ、武力に訴えられぬのは少々物足りぬが、それも一つの手段やも知れぬな。 黄:私は、このシステムを聖獣界にも導入しようと思うんだよぉ。 則:して、御主を支持する者はおるのか? 黄:……。 則:聞くまでも無かったの。 【それは禁句】 則:御主、幻獣ならば、何か神通力は使えぬのかえ? 黄:で、出来るよぉ。例えば、月が上がる前に、欠け具合が分かったり。 則:ほう。 黄:それと今着てる服なら無限生産が可能だよぉ。 則:そなた、とことんまでに使えぬのぉ。 【手段選ばず】 黄:朱雀が近々、転生するらしいんだよぉ。 則:彼奴は鳳凰の一族じゃからの。それ位はするであろう。 黄:これは、チャンスなんだよぉ。鳥は最初に見た人を母親だって思うから、 上手く行けば四方の一角を手中に出来るよぉ。 則:そなた、自尊心は無いのかえ。 【すっとぼけてみる】 黄:でも、則天武后は旦那さんの息子をたぶらかして出世したって聞いたよぉ。 則:はて、なんのことかのう。 【あんたもだ、あんたも】 黄:という訳で、早速、転生する場所にやって来たよぉ。 則:ふむ。しかし鳳凰が生まれ変わる様なぞ、そう見られるものでも無いゆえ、 付き合ってみるのも一興よの。 黄:ところで、この人だかりは何なんだよぉ。 ?:はいはい。そこ、列を乱さないで。整理券を貰えなかった人は、速やかに帰る様に。 則:やれやれ。何時の世も、民衆とは愚かよの。 【一応、元上司】 則:ところで御主、顔ぱすとやらは使えぬのか? 黄:……そこは触れないで欲しいんだよぉ。 【鳴き声では無さそうだ】 則:さて。何とか、あやつらの目を盗んで入り込めたようじゃな。 黄:しかも、丁度生まれ変わる瞬間だよぉ。 則:おぉ、この神々しさ。これが、妾が追い求めて辿り着けなかった不老不死の力か。 朱:ふに? 則:――至極、場違いな声を聞いた気がするぞえ。 【バリバリ動揺】 朱:私〜、今度朱雀をやらせて貰うことになりました〜。宜しくお願いします〜。 則:拍子抜けよの。これで四方の一角が務まるのか? 黄:……。 則:御主、今、こやつに取って代わろうとしていたであろう。 黄:そ、そんなこと無いよぉ。 【無垢の刃】 朱:ところで〜。お母さんに、先ず麒麟さんに挨拶する様、言われたんですけど、あなたですか〜? 黄:ふ、ふふふふふ……久々に、面と向かって殺意が湧いたよぉ。 則:子供に罪は無いぞえ。 【半端無い悪女】 黄:でも、則天武后は皇后を蹴落とす為に、自分の子供を殺したって話を聞いたよぉ。 則:記憶に無いのぉ。 【人間が一番人でなし】 則:ところで、鳳凰の生き血は不老不死の妙薬らしいが、 妾が育てるということで異存は無いの。 黄:絶対にダメだよぉ。 【大丈夫か中国】 朱:私〜、南の方角を守らなきゃならないんで、行きますね〜。 黄:え。ちょ、ちょっと。まだ話は終わって――。 朱:……(ペチッ)。 黄:あ、転んだよぉ。 則:まあ少し考えれば、雛鳥が飛べぬことくらい分かるじゃろうに。 朱:う、う。痛いです〜。 【NGワード】 黄:クリーム入り大判焼きって美味しいよぉ。 則:そなた、良くその様な得体の知れぬものを食せるのぉ。 黄:たくさん買ってきたから、一緒に食べない? 則:要らぬわ。妾は茘枝を食すことにするわい。 黄:あ、それって楊貴妃の好物ってことで有名な果物だよね。 則:御主、喧嘩を売っておるのか。 【そもそも迷信】 黄:西の方角に、猫除けのペットボトルを置いたら、白虎、逃げてくかなぁ。 則:無理やと思うぞ。 【効果は微妙】 黄:じゃあ、烏除けのCDを南の方角に吊るして朱雀を――。 則:御主、本当に返り咲く気はあるのか? 【むしろ本家】 黄:人間って、変わらないよぉ。何千年経っても、お山の大将を決める争いばっかりしてる。 飽きないのかなぁ。 則:まあ、それはそなたも同じじゃがの。
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