邂逅輪廻



※この作品は『新訳ドラゴンクエストV 〜もう一人の勇者〜』のセルフパロディです。『交錯する隘路』までお読みにならないと、意味が分からないと思われますので御了承下さい。

【教師なのに教育的指導】
アダ:儂が、銅鑼久重学園学園長代理、アダムスじゃ!
   良いか、生徒諸君、所詮、世の中、権力が全てじゃ!
   そのことを肝に銘じ、如何に人を扱き使う立場になるかを考えて――。
   くおぉらぁ! マイクをいきなり切るんじゃない!


【進行妨害と認定】
アダ:たしかに、若干、話がくどかったのは認めよう。
   じゃがな、これだけは憶えておけ。
   幾ら儂が話を終えようとも、第二、第三の学園長代理の話が待って――。
司会:アダムス学園長代理でした。


【そういう意味では類友】
トヨ:全く、年寄りは話が長くていかんのぉ。
   中身も無いのにくどくどと喋るのは、聞き手にとっても苦痛だと言うに。
   幾ら齢だけを重ねようとも、ことの本質を見極められん様では、
  甲斐が無いと言わざるを――。
司会:中等部学生会長さんも、要件は手短かにお願いします。


【辛口進行に定評】
トヨ:あー、いやまあ、そのなんじゃ。
   よきにはからえ。
司会:意外と横から弄られると脆い、学生会長トヨさんでした。


【人間性の領域に】
アレ:うーん、進路調査書、ねぇ。
シス;あれ? まだ出してなかったの?
アレ:シスは何て書いたのさ?
シス:卒業どころが進級すら怪しいのに、
  そんな先のことを考える余裕はありません、って。
アレ:そこまで潔くなれるのは、むしろ羨ましいとさえ思えてきたよ。


【教師の務めは奥深い】
アレ:そういうこと言ってると、近い内に、トヨ様と同級生になっちゃうよ。
シス:そん時は正々堂々と殴り合いでカタをつけるから大丈夫だよ。
アレ:それは正々堂々とは言わないと思うって、誰か教えて欲しいなぁ。


【正解とは言い切れない】
アレ:アクアさんは、大学進学だっけ?
アク:ゆくゆくは、人をお助けする仕事に就きたいと思いますの。
シス:んじゃ、自転車の補助輪を作る人だね。
アレ:何となく、言葉の解釈に行き違いがあったような?


【但し恐らく破戒僧】
アレ:何だか、シスターとか神職が似合いそうな気もするけどね。
アク:その様に、女の方に色々な服を着せた想像をしては、メッ、ですわよ?
アレ:そういう意味で言ったんじゃないのに、若干の罪悪感がある訳で。


【一般人のロマン】
アレ:姉さんは卒業後、どうするの?
トウ:ずっと学生で居る訳には……いかんよなぁ。
アレ:流石にね。
トウ:宝くじでも当てて、好きなことだけして暮らしたい……。
アレ:十代の若さで、その枯れた考えもどうかと思うけどね。


【結局どうするんだろう】
トウ:こう、現代社会には夢が無いと思わんか?
   何をしても先が見えていると言うか。
アレ:そういう決め付けこそが、社会の閉塞感を増幅させてるんじゃないの?
トウ:ほう、ではお前が、この国を希望溢れるものに変えてくれよ。
アレ:完全に、論点をすり替えられた気がしてならない僕が居る。


【一種の官業民間委託】
アレ:クレインは、どうして教師になったの?
クレ:いきなり呼び捨てか、コルァ。
アレ:それだけ信頼の情を持って喋りかけられるって、
  ひょっとしたら素晴らしいことなんじゃないかな。
クレ:その適当なことをほざき続ける舌を、閻魔の代わりに俺が引き抜きてぇ。


【真相は闇の中】
クレ:んで、何で教師になったかだっけか?
アレ:手短かにね。
クレ:てめぇみてぇに小生意気なガキを、
  合法的に叩きのめせるからってことにしといてやる!
アレ:体罰反対。


【独占的確定事項】
アレ:トヨ様は、学校出たらどうしたいんです?
トヨ:うむ、学者となるか指導者となるか、思案のしどころじゃて。
アレ:随分と、贅沢な悩みですね。
トヨ:じゃが御主と一緒であらば、いかなる困難も乗り越えられるじゃろうて。
アレ:さりげなく、僕の意志が無視される発言があった様な?


【悪徳商法的展開】
トヨ:なんじゃ、嫌なのかえ。
アレ:嫌って言うか、ピンと来ないと言いますか。
トヨ:ならば何の問題もあるまい。世の中とは、存外、そういうものじゃて。
アレ:ここまではっきり言い切られると、納得しかけそうで実に怖いよね。


【週間真実衝撃のスクープ】
アレ:シルビーさんは……いや、やっぱり良いや。
シル:いやいや、そんなつれないことを言わず、もっと構って、ぷりーず。
アレ:もしかして、クラスに友達が居ないだなんて、切ないことは思ってないよ?


【進路は結局不明のまま】
シル:ふっ、この銅鑼久重学園高等部二年、シルビー様の今後が知りたいと申すか。
アレ:そして、自分から所属を言い出すのも、
 新しいパターンの様な気がしないでもないなぁ。


【ステータス数値を参照のこと】
アレ:体育は、苦手だよ!
クレ:威張って宣言することでもねぇだろうが。
   つーか、いっそのこと女子に混ぜてもらったらどうだ? 
アレ:僕としては、それはそれで問題が無いようで、
 シスよりも身体能力が無いことを暴露されるのは御免なんです。


【もうすっかりおちょくり対象】
クレ:顔もそっち寄りっちゃそっち寄りだし、良い案だと思ったんだがな。
アレ:そしてクレインの分際で、人のトラウマをほじくらないで下さい。


【触れてはいけないタブーの世界】
アレ:家庭科は、割と得意かな。細かい作業って楽しいよね。
アク:一昔前まで、男子は技術、女子が家庭科と、
  カリキュラムが分かれておりましたので、アレクさんは得をしましたわよね。
アレ:時たま、アクアさんは年齢を詐称してるんじゃないかって、
  疑惑が生じることがあるよね。


【物の怪の類か】
アク:そんなことはありませんわ。
   わたくし、セーラーにもんぺは、着たことがありませんもの。
アレ:いや、幾らなんでも、そこまでは言ってないけど、
  アクアさんなら不可能じゃない気がするのは凄いよね。


【ドラクエ世界は便利だな】
アレ:英語も、今一つ得意じゃないんだよなぁ。
   文法は分かるんだけど、ニュアンスがハッキリしない言語を使うのは落ち着かなくて。
シス:いっそ、世界中で同じ言葉を使っちゃえば楽なのにね。
アレ:それに近い場所を、何故だか身近に知っているような?


【補習受けた方が楽】
シス:ん? あたしが世界を統一して、
  同じ言葉だけ使わせれば英語勉強しなくてもいいのかな?
アレ:余りにハードルが高いことを言い出してる割に、
  得られる利益が小さい気がしてならないよ。


【政界でよくある光景】
アレ:音楽は〜、わ、わ、わ、結構、好きかもね〜♪
シス:微妙に外れてるけどねー。
アレ:音楽は、魂だから。プロならともかく、技術云々から入っちゃダメだと思うんだ。
シス:何処の業界人も、それを言って未熟さを誤魔化すんだけどねー。


【一種の賑やかし要員】
アレ:トライアングルとカスタネットは、人類が生み出した究極の楽器だと思うんだ。
シス:幼稚園児でも使えるから?
アレ:まあ、水の入ったコップでも、同じことが出来るって説もあるけど。
シス:水の量で、音階の調節まで出来るしね。


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