邂逅輪廻



※この作品は『新訳ドラゴンクエストV 〜もう一人の勇者〜』のセルフパロディです。『日出づる国の邂逅』までお読みにならないと、意味が分からないと思われますので御了承下さい。

【初っ端からローテンション】
アク:この物語は、パラレルストーリーですの。
トヨ:本編と如何なる相違があろうとも、それは仕様じゃ。
  深く考えてはいかぬぞ。
シス:ま、そーいうのが苦手な人は、御注意下さいって感じかな。
アレ:こんな濃い人達の中で、僕は主人公としてやっていけるのかなぁ……。


【特に否定はしないけど】
先生:じゃあ、この問題は……アレク、問いてみろ。
アレ:〜〜で、――だから、……です。
先生:ほぉ。流石は銅鑼久重学園高等部一年きっての秀才なだけはあるな。
アレ:どうも。
先生:これで、ブラコンでシスコンの気さえ無ければ、相当の人材なんだがな。
アレ:それを今、ここで確認する意味はあるんですか?


【ジェネレーションギャップなんて言わせない】
シス:シスコンって、あたしが好きってこと?
先生:違う違う。シスターコンプレックス。
  姉と妹、或いはそれに準ずる相手に必要以上の愛情を感じる奴のことさ。
アレ:何で淡々と解説してるんですか。どんな教室なんですか。
先生:ふっ、私は例え可愛い生徒であろうと、面白いと判断したらとことん弄り尽くす主義だ。
アレ:それを口にしてる時点で、可愛がり方の解釈に多分の相違があるとだけ言わせて貰います。


【パラレル作品の宿命】
アレ:あの先生にも困ったもんだよね。
シス:あたしは、ノリが良いから割と好きだけどねー。
アク:一体、何のお話をしておりますの?
アレ:あ、高等部三年生のアクアさん、こんにちは。
アク:その説明的な口調は、どういった理由でそうなりましたの?


【初登場時年齢二十歳】
シス:まー、高校三年生ってのも、随分、図々しい話なんだけどねー。
アク:ですの?


【特殊ルールが存在】
アレ:ところで、僕達これから学食に行くところなんですけど、どうします?
アク:御相伴致しますわ。
シス:でも、今から行って、三人分も席取れるかなぁ。
アク:そういった時は、武力で以って強奪するというのが、この学園の習わしですの。
アレ:ここ、私立とはいえ、一応、普通の高校だったはずだよね?


【若干の例外も存在】
アク:或いは、懇切丁寧にお願いして、お譲り頂くという手も御座いますわ。
アレ:たしかに、アクアさんに笑顔で頼まれて、断りきれる男がどれだけ居るんだろうか。
シス:女だったら、大抵は腹立つだけだけどねー。


【きっとよくあること】
アク:この学食は、お茶が飲み放題というのが素晴らしいですわ。
アレ:普通、こういうところのお茶っていったら、緑茶か麦茶だよね。
  紅茶が飲み放題なんて、ここくらいのものだと思うよ。
シス:お金無い時は、砂糖を入れまくってカロリーだけ摂取を――。
アレ:何だか、物凄く切ない話を聞いた気がしないでもない。


【むしろパワハラ教師として定評】
クレ:あぁん? てめぇら、またつるんでやがるのか。良く飽きねぇもんだな。
アク:ツンデレ様が、やって参りましたの。
クレ:てめぇとは、卒業前に一度決着をつけてやるからな。
シス:なーんか、傍で聞いてると愛の告白って感じがしないでもないよねー。
クレ:そっちのチビアマも、憶えてやがれよ!


【三人寄ったら類友さ】
アレ:やぁ、体育担当のクレイン先生、ご機嫌いかがですか。
  ジャージが凄く似合ってますよ。
クレ:その悪意に満ちた紹介調の台詞は何だ?
アレ:僕の方にも、色々と都合っていうものがあるんですよ。
クレ:三人揃って、教師に舐めた口聞いてんじゃねぇよ!


【生来の性格説が濃厚】
アク:とりあえずは、お茶でも飲んで落ち着きますの。
クレ:俺の血圧を一番上げてんのはてめぇだろうが!
アレ:まあ、そもそも、紅茶に含まれてるカフェインは興奮作用が強くて、
  本当に気が休まるかについては諸説ある気がしないでもないよね。
クレ:何でこの坊主は、ここまで可愛げが無いのか、気になってしょうがねぇ。


【良い感じでおちょくられ】
アレ:そんな。体育教師に可愛げがあるなんて言われて、
  変な噂が立ったら一体、どう責任をとってくれるって言うんですか。
クレ:そろそろ、俺は教師としてこいつを見限りたくてしょうがねぇ。


【本日三度目のお約束】
アレ:昼御飯の後は、やっぱり木陰でうとうとだよねー。
アク:至福の一時ですの。
トヨ:ほぉ、そなたら分かっておるのぉ。
シス:あ、中等部一年生で、学生会長もしてる人だ。
トヨ:何がどういった塩梅で、その物言いなのじゃ。
アレ:いえ、本当、色々とあるんです。


【乙女的最優先事項】
アレ:しかし飛び級で中学生ってのも、凄いですよね。
トヨ:うむ。実を言えば高等部でも良かったのじゃが、
  ちとやむにやまれぬ事情があっての。
アレ:はい?
トヨ:身体に合う制服が、一つとして無かったのじゃ。
アレ:それって、そこまで重要なことですか?


【時代劇並の安定感】
トヨ:お主は、まだまだおなごの心が分かっておらんのぉ。
アレ:そうですかね?
トヨ:それではまだまだ、余の婿としては課題が多かろうて。
シス:フールゥゥァァ!
アレ:結局、この展開になっちゃう訳?


【誇大表現はお家芸】
トヨ:しかし良き風情じゃの。
  午後の講義など、どうでも良いとさえ思える程じゃ。
アレ:いやいや、授業は出ましょうよ。
トヨ:若いのぉ。人生を絵巻として見るとすれば、愚にもつかぬ講義よりも、
 この様に自然を愛でる時の方が余程重要ぞ。
アレ:何だか言い回しは大層ですけど、
  昔から使われてる言い訳ですからね。


【それもアインシュタインクラスの】
シス:午後は数学と物理だし、あたしも出たくなーい。
アレ:え、あれって、一番楽な授業だよね?
シス:答えだけ書いても半分も点数くれない授業の、何処が楽なのさ。
アレ:何だか、さりげなく凄い天才的な発言をされた気がしないでもない。


【そっちはあくまで趣味】
トヨ:ほぉ、分かっておるのぉ。
  余も、あの途中式省略は減点という仕組みは納得しておらんのじゃ。
アレ:ああ、もう、天才はこれだから。
トヨ:結論を得ることなどより、その過程を説明することにどれ程の労力を要するのか、
  凡庸な教師達には分からぬのやも知れぬのぉ。
アレ:その分、トヨ様は普段の台詞を修飾してるから良いじゃないですか。


【折角説明したのに】
アレ:くぅぅ。今日も一日、御苦労様。
トウ:アレク、ちょっと良いか?
アレ:高等部三年のトウカ姉さん、どうしたの?
トウ:いや、少し図書館に寄って行かないかと思ってな。
アレ:全く触れられないってのも、それはそれで釈然としないものが残るよね。
トウ:ん?


【異次元の記憶が】
アレ:また、剣豪小説?
トウ:ああ、やはり猛者達の活躍は心踊るものがあるな。
  時代が時代なら、私も女剣士として名を馳せたかったものだ。
アレ:何故だか、容易にその絵を想像できる気がしてならない僕が居る。


【結婚後に備えよう】
シス:やっぱ図書室は、漫画タダ読み出来て最高だよねー。
アレ:何でうちは、こう何でもありなのかなぁ。
トウ:歴史モノや文学モノであれば、漫画も許容する学校は多いがな。
アレ:『実録! 嫁姑アルティメットハルマゲドン』なんてものは、
  一切、勉強にならないと思うけどね。


【バカップルに近似】
アレ:次のバスまでは……ちょっと時間あるね。
シス:何かちょっとしたゲームでもする?
アレ:具体的には、何を?
シス:ん? あっち向いてホイとか?
アレ:高校生になってそれは、流石に抵抗があるなぁ。


【ルール的に困難】
シス:何なら、フルーツバスケットでも良いけど。
アレ:それ、二人でやる訳?


【一体どちらが夢オチか】
アレ:はぁ〜あ。今日も色々なことがあったなぁ。
   たまに、寝て起きたら別の世界で旅してるくらい現実感が無いこともあるけど、
  そんなこと、ある訳ないよね。


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