邂逅輪廻



【法律一丁出来上がり】
岬:ではこれから、一つの法案が提出され、
 成立するまでの流れを追ってみましょう。
公:それでは仕方無いな。俺が将来、権力者になった時、
 満を持して成立させようと目論んでいた、
 『全ての家庭に眼鏡っ子メイドを支給する法』をだな――。
岬:実に個人の欲望に満ち溢れたものですけど、
 あくまでサンプルなので良いとしましょう。
  では、この法案を国会に提出する訳ですが、
 先輩はどの様な手段を使うつもりですか?
公:あー……地元の有力議員に働きかける……とかか?
岬:いわゆる議員立法ですね。
  日本で成立する法案の大多数は内閣府が提出するもので占められていますが、
 議員が法案を提出すること自体は少なくありません。
公:出すだけなら、国会議員の誰でも出来るのか?
岬:出来ます。但し、賛同者が幾らか必要です。
  衆議院で二十名、参議院では十名ですね。
  更に予算を伴うものとなると数が増えて衆議院五十名、参議院二十名となります。
公:幾らか……か? 随分と高い壁に見えるんだが。
岬:まあ、この程度の数が集められないようでは、
 最終的に法律として成立する訳がありませんから。
  衆議院で二十名にも満たない弱小政党が、
 意味不明の法案を乱立させない為の足切りとしては妥当な線だと思います。
  ちなみに、衆議院議員が提出したものを衆法、参議院議員の場合は参法と呼びます。
  補足すると、内閣府が提出したものを閣法と呼んだりします。
公:それで、その提出して貰った法案はどうなるんだ?
  テレビで良く見る、全議員での投票タイムか?
岬:年間で数百にもなる法律案全てを全員で事細かに詰めていたら、
 幾ら時間があっても足りません。
  法律案は先ず、衆参どちらかの議長に提出されるんですが、
 それらは次に委員会へと回されます。ちなみにこのことを付託と言います。
公:委員会?
岬:少人数で法律案の審議をする組織です。
  常に設置が定められている常任委員会と、
 特定の法案を審議することが目的の特別委員会があります。
  常任委員会は衆参それぞれ17置かれていますが、特別委員会の数は不定です。
  国会議員は一つ以上の常任委員会に属さなければならない決まりがありますが、
 正副議長や閣僚などは辞退することが許されています。
公:どちらかと言えば、その方面が得意な議員が入るんだよな。
岬:もちろんそうです。とは言え、仮に全議員での審議となっても、
 結局はその分野に明るい方々が中心になる訳ですから、大差無いとも言えます。
  各議院議長は、提出された法案を、
 どの委員会で審議するのが相応しいかを選別し、振り分ける訳です。
公:ほー。委員会の中身というか、人数構成はどうなってるんだ?
岬:各院の各政党議席数に依って比例分配が成されています。
  たまに安定多数などと聞くことがあると思いますが、
 あれはこの委員会での数的優位を示すものです。
  衆議院で269議席あると絶対安定多数と呼ばれ、
 全ての常任委員会で過半数を占めることが可能になり、安定的な政権運営が望めます。
公:ほっほう。では俺の『全ての家庭に眼鏡っ子メイドを支給する法』、
 通称メガネメイド法は、委員会でどうなるんだ。
岬:では、次項で委員会が紛糾する様を説明していきましょうか。
公:紛糾が絶対的前提かよ!

今項目の纏め:法案を提出するには、内閣府か国会議員を通す必要がある。それらは各院議長の手に依り委員会へと付託される。


【続・法律一丁出来上がり】
岬:では先輩。メイドメガネ法についてですが、
 年間で幾らほどの予算が必要なんですか?
公:え、えーと……一兆円くらい?
岬:この法案を読む限り、一世帯につき一名と書かれていますが、
 一人暮らしの者と大家族では必要な時間、人数は違うんじゃないですか?
  世帯人数で振り分けるにしても、家を空けることの多い営業職と、
 自宅で仕事をすることの多い自営業、
 又、年齢に依っても必要なものは変わって来ると思うのですが、
 その件についてはどうでしょうか。
公:あー……。
岬:昨今、介護業界の人員不足が指摘されていますが、
 これだけのメイドさんをどこから調達してくるのですか。
  その件についても明確にお答え下さい。
公:えー……。
岬:メガネメイド法とは、女性を奴隷扱いする法律であり、
 日本を十九世紀以前に戻す悪法であることは明確です。
  違うと言うのであれば、その根拠を明示願います。
公:つまりだ……。
岬:メガネとは何ですか! 視力の低い方々を侮辱しています!
  今すぐこの件に関して謝罪と撤回を求めます!
公:……。
岬:とまあ、委員会ではこの様に、
 与野党入り乱れて喧々囂々の舌戦バトルが繰り広げられます。
  国に依っては手も出ます。
公:演技かよ!?
岬:実際は、幾らピントがズレ捲くってる日本の政党でも、
 ここまで突っ込み所の多い法案は提出しないんですけどね。
公:うわーん、それでも……それでも男の浪漫なんだい!
岬:浪漫で法案は通せません。この他にも、公聴会、参考人質疑、
 関係委員会との調整をなどをして、ようやく採決に至る訳です。
  ここで過半数を得られれば、委員会での仕事は一段落します。
  まあ、採決に達してしまえば最後にものを言うのは数な訳ですね。
公:そこ、リアルな話をしない。
岬:委員会が通った後、本会議でも同じ様に質疑等が行われます。
  当然、全議員が出席することが一応の前提ですから、
 場合に代っては本格的な大物議員が真面目な顔で、『メイドとは何か』『メガネとは何か』
 を議論する訳です。
公:理想の政治像だな。
岬:最終的に採決がされ、ここでも過半数を得ると、
 議長に一先ず戻され、もう片方の院に渡されます。
  分かり易い様に、衆議院議長が参議院議長に渡したことにしましょう。
公:これでようやく半分か?
岬:そうですね。何しろ、国の根幹となる法整備ですから、
 慎重の上に慎重を上塗りするくらいでちょうど良いんでしょう。
  本来、参議院は衆議院の監査役と言われてるくらいですし。
公:その、本来って部分に含みを感じるんだが。
岬:それはいずれ解説するとしまして、参議院議長に渡された法案も担当委員会に付託され、
 衆議院同様、趣旨説明、質疑、公聴会・連合審査、
 参考人意見陳述、討論、採決の順で処理されます。
  更に参議院本会議で討論、採択をして通りますと晴れて法律として成立します。
  形式的な話ですが、この法律は内閣を通して天皇に奏上され、公布されることになります。
公:要は、衆参両議院で過半数を持ってれば、大体の法案は通るんだな。
岬:そうですね。ですけど、世の中、そんな都合良くは行きません。
  次項では、そこのところに触れていきますね。

 今項目の纏め:法律の制定に必要なのは、基本的には各院の過半数と、各院委員会の過半数。但し、何度もの討論等がある為、数さえあれば簡単に通せるというものでもない。


【両院協議会って何やねん】
岬:ところで先輩。内閣、或いはどなたか議員の方が、
 『全家庭に執事を配置する』法案を提出したと仮定します。
  先輩が国会議員でしたら、どの様な処置を取りますか?
公:何だと、俺のメイドメガネ法に真っ向から対立するではないか。
  おのれ、全力で潰してくれる。
岬:と、この様に議員はそれぞれ背負ってるものがあります。
  衆議院議員ともなりますと、一議席を獲得するのに十万票前後が必要ですから、
 個人の信念だけではなく、後援団体の利益等の為、
 軽々に賛成票を投じられないこともままあります。
公:さぁ、ドロドロして参りました。
岬:では、分かり易いサンプルとして、
 同じ法案が衆参で合わなかった場合を考えてみましょう。
  『全家庭執事法』が、衆議院議長に渡され、委員会で審議され、
 本会議でも可決されました。
  ですが参議院委員会は紛糾し、先輩らを含む絶対メイドグループが否決に回り、
 参議院本会議では否決されてしまいました。
  さて、この法案、どうしましょうか。
公:どうって……どうしようも無いんじゃないか? そのまま廃案だろ。
岬:ですけど、衆議院は参議院より力が強いんですよ。
  そっちで通ったのに、
 参議院で否決されたら終わりっていうのはおかしくないですか?
公:社長がゴーサインを出したのに、
 取締役一人が反対しただけで企画が潰れるみたいなもんか。
岬:まあ、そんなところです。ですからここで、両院協議会という機関を設置します。
  要は両院が納得出来る法案になるよう話し合うってことですね。
  今回の場合、『派遣される人材は、執事か眼鏡っ子メイド、いずれかを選べる』
 くらいが落としどころでしょうか。
公:うむ、それならば賛成することもやぶさかでは無いぞ。
岬:と、本来ならば、衆議院だけでは詰めきれない法案の粗を修正するのが、
 参議院本来の役割です。
  実際は権力闘争やら、与野党の思惑なんかが複雑に絡み合って、
 こんな理想的には働かないんですけどね。
公:戦いって……いつだって虚しいな。
岬:あと、もう一つ裏技と言うか、強引な法案可決法があります。
 それが衆議院三分の二ルールです。
公:何処かで聞いたことがある様な?
岬:分かり易く言うと、衆議院で可決され、参議院で否決された後、
 衆議院議員の三分の二以上が賛成すれば法律として成立する決まりです。
  これを使った場合、参議院の同意は全く要りません。
公:そんなのありかよ。
岬:参議院は任期が六年で解散もありませんからね。
  三年ごとに半数が入れ替わると言っても、
 世論を反映しきれないという趣旨で成り立っているのでしょう。
  尚、これは憲法に明記されていることで、
 行使すること自体は何の問題もありません。
  これを無くそうと思ったら憲法を書き換えないといけない訳です。
公:憲法って、色んなことが書いてあんのな。
岬:尚、追記と言うか補足ですけど、衆議院が可決した法案を六十日間、
 参議院が放置と言うか議決しないと、
 そのまま本会議場で否決したのと同じ効力を持ちます。
  参議院で多数を持っているからと言って。無制限の引き伸ばしは出来ない訳です。
公:参議院って、たまに何の為にあるか分からなくなるな。
岬:一院制と二院制、どちらが良いかは賛否それぞれありますからね。
  ここで軽々に結論を出せる話ではありませんけど、
 少なくても衆議院よりは力が無いことを憶えておいて下さい。

今項目の纏め:両院協議会は衆参で結果が割れた時に設置される機関で、法律案を互いの院で可決できる様に話し合う為の場である。但し、衆議院は三分の二の賛成票を得れば、参議院の可決無しでも法律を成立させることが出来る。


【法案成立こぼれ話】
岬:これまで、法案成立についてその流れを述べてきましたけど、
 要は数さえ集められれば通せます。
公:身も蓋も無いなぁ。
岬:では、数を持たない野党は黙って法案が通るのを待つだけなんでしょうか。
  委員会や議場で口だけを動かして、
 結局は成立する法案を眺めてるだけなんでしょうか。
  さにあらず。野党は野党なりに、様々な抵抗を繰り返しているんです。
公:おぉ、もしやちょっと良い話か?
岬:先ず有名なのが牛歩戦術です。衆議院では賛成反対の意志を、
 白票(賛成)、青票(反対)、と言われる木の板を中央に集めて勘定するんです。
  そこで編み出されたのが、反対の青い板を持った上で、
 亀の如きゆっくりとした歩みで進むという――。
公:待て待て待て。
岬:何ですか?
公:それは、コントか何かか。
岬:本人達は大真面目ですよ。
 ちなみに、止まってしまうと棄権扱いになるのでほんの少しでも動くのがポイントです。
公:じゃあこっちも真面目に聞くが、何の意味があるんだ。
  そんなことしても、一票は一票だろ。
岬:たしかにその場凌ぎの時間稼ぎにしかなりません。
  ですが、午前零時を過ぎて投票が終わっていないと、
 投票が無効になるルールがあったりします。
  或いは、国会会期が終わるまで牛歩を続ければその法案を廃案にすることも、
 理論上は出来ます。
公:遊ばれてる気がしないでもない。
岬:結局、最大の目的は国民へのアピールでしょうね。
  先輩も言うように、コント的な面白味があると言えばありますから。
  もちろん、殆どの国民は茶番だと認識してる訳で、有効性は疑問ですが。
公:日本で一番偉い人達が、そんなことしか出来ないなんて……。
岬:他にも議場占拠という荒業もあります。
  要は、野党連合が議場を物理的に封鎖したりするんです。
公:物理的……だと?
岬:ええ、扉の前に何十人と押しかけて廊下を埋め尽くしたりするんです。
公:それは民主主義の手段と言えるのか?
岬:もちろん合法とは言えない、一種の暴力行為ですよ。
  デモをするしかない一般市民なんかと違って、
 国会議員には委員会や本会議場で答弁する権利があるんですから、
 そちらで戦うのが本道です。
  こんなことをする政治家先生が別の場では、
 『私は平和主義者。手なんて絶対に出しません』
 なんて言ってるんだから面白い話ですよね。
公:そろそろ、岬ちゃんの毒にも慣れてきた訳で。
岬:逆に言えば、野党というのはこの程度のことしか出来ないんです。
  少数意見を汲み上げられないのが民主主義最大の弱点と言われていますけど、
 それは否定しません。
  唯、だったら民主主義に代わるものがあるかと言われると怪しいので、
 現状はこのままいくしかないでしょうね。
公:世界はまだまだ、その最終形を見せない、か……。

今項目の纏め:牛歩戦術は別に遊んでる訳じゃないよ。議場占拠も、ちょっと必死なだけなんだよ。


【政党政治の光と闇】
岬:物凄く根本的な質問になりますけど、政党って何の為にあると思います?
公:……ナンデスト?
岬:ですから、殆どの議会制国家で、
 政党制が敷かれている理由についてです。
公:そりゃ……法案を通すには過半数が必要だけど、一人じゃどうしようもないから、
 自分に近い政治家と同志になるんじゃないのか。
岬:一応、建前としては正しいですね。
  本来、政党と言うのは、政策の方向性を明確に打ち出し、
 それを支援する議員、団体で構成するものです。
  有権者の方も、今後、国をどう作っていくかを考えて投票できますので、
 民主主義として正しい姿勢と言えるでしょう。
公:何だか、含みがある言い方だな。
岬:では先輩。現在、何処の政党がこの国をどうしたいかを御存知ですか?
公:――ん?
岬:生活がどうとか、国民を守るとか、
 キャッチコピーは実に曖昧なものが並んでますよね。
  これは要約すると、明確な中身が無いので、
 外面だけでも格好を付ける為の張子の虎です。
公:ぶっちゃけた!?
岬:残念な話ですが、日本の国会に於いて、政党政治は本来の意味を失い、
 数を集める為だけの集団になっています。
  一部、明確な政策を掲げて頑張ってるところもありますが、
 弱小、ないしは泡沫政党なので、余り力はありません。
公:何と言うか……良いのか、それで。
岬:余り良くはありません。基本的に党員は党則と呼ばれる、
 党のルールに縛られています。
  例え自分が気に入らない法案であっても、
 上からの命令であれば賛成票を投じなければならなかったり、
 意思を反映出来なかったりします。
  なので法案提出の前段階で党内が揉めたりして、
 議会制政治自体が実に曖昧なものになったりします。
公:そもそも、でっかいとこだと、
 政策が真っ向から違う奴らが同じ党に居たりするよな。
岬:はい。という訳で結局、有権者は政策で選ぶというよりは、
 まだマシだと思える政党、利益を誘導してくれる政党へ入れることになってきます。
  人気投票だと揶揄される一因ですね。
公:この国の投票率が今一つ伸びない理由が少し分かった気がする。
岬:実際、数さえ集まれば何でも良いので、有名人が立候補することも多々あります。
  党幹部側も、おだてて木に登る無能の方が扱いやすいので、
 『黙って票だけ集めてくれ』と思ってることでしょう。
公:俺……そろそろキレて良いか?
岬:ですが忘れないで下さい。どんな議員であっても、選んだのは有権者であり国民です。
  多分に、その選出責任を持っているんですよ。
  本当に、個人の好みだけで国政を任せて良いんですか?
  他人の揚げ足取りしか出来ない方は、政治家としての資質を持っていますか?
  立候補していない有名人を書くことが有意義ですか?
公:お、俺を問い詰めましても……未成年だし。
岬:何にしましても、政党政治というシステムは、当分、無くなりませんので、
 中身を見た上で投票することを心掛けましょうね。

今項目の纏め:政党とは本来、政策の方向性で集団化するもの。但し現実的には、数を集めて有利な国会運営をするだけの集団となりつつある。


【連立政権ってどうなのよ】
岬:連立政権というのは、定義の話をしますと、
 『二つ以上の政党が協力して政権政党として機能すること』です。
  大体が、単独で衆参両院の過半数を得られない場合にくっつくことになります。
  日本では1989年以降、自民党が単独過半数を獲得するのが難しくなり、
 むしろ連立が主流になっていますね。
公:ちょっと待て。元々、意見が違うから政党が分かれてるんだろ?
  何で協力とかできんだよ。
岬:先輩。権力の為には、そんな些細なことは気にしないのが真の大人ですよ。
公:――些細か?
岬:実際、1993年には細川政権が誕生したんですけど、
 この時期に新党ブームというのがあったんですよ。
  この細川政権、日本新党、日本社会党(現社会民主党)、新生党、公明党、
 民社党、新党さきがけ、社会民主連合、民主改革連合の七党一会派連立です。
公:いやいやいや、どう考えてもおかしい。纏まらんだろ、どんなに頑張っても。
岬:実際、反自民党だけで成り立っていた連立ですからね。
  国民は期待してたみたいですけど、細川総理は九ヶ月もたずに辞任しました。
  次いで発足したのが羽田内閣。新生党、公明党、日本新党、自由党、
 民社党、民主改革連合、改革の会での連立政権です。
公:国会を舞台に、壮大なツッコミ待ちとは良い度胸だ。
岬:この寄せ集め集団で長期政権運営はほぼ不可能と言ってよく、
 実際に64日という戦後二番目の短さで総辞職をしました。
  唯、元々がこの年度の予算を通すだけの暫定内閣だったので、
 全く無意味かと言われるとそうでも無いんですけど。
公:頭、痛くなってきた。
岬:次はある意味、もっと痛いですよ?
公:なんだと?
岬:羽田政権の後を継いだのが、自民、社会、さきがけ三党連立政権です。
公:ええっと……さっき、細川政権の時、社会党は反自民連合として――。
岬:総理の椅子を餌に寝返りました。
公:プライド低っ!?
岬:実際、日本社会党は自由民主党の三分の一も議席が無いにも関わらず、
 村山総理を輩出しました。
  自民党幹部、特に総裁であった河野洋平氏にとっては、
 辛酸を舐めるより厳しい判断だったことでしょう。
公:そこまでして政権欲しいもんか。
岬:政治家は、政権政党に居てナンボですからね。
  野党議員と与党議員では、
 出来ることが地球儀と本物の地球くらい違うんじゃないでしょうか。
公:いや、流石にそれは言い過ぎだと思うが。
岬:連立政権で一番の問題は、やっぱり選挙後の寝返りですね。
  連立前提で選挙戦を戦ったならともかく、
 選挙後に数合わせの論理で切り貼りしてたのでは、民主主義の前提が曖昧になります。
  有権者に対する、明確な裏切り行為と言って良いでしょう。
  後は方向性が全く合わないのに連立を組んでみたり。
  これも国民を舐めてるとしか言えません。
  これら種々の問題を解消するのは難しいですけど、
 強いて言うなら少しでも質の良い政治家を選出するしかないですかね。
公:結局、そこに行き着くのか……。
岬:最後にものを言うのは、有権者が持つ投票権なんですよ。

今項目の纏め:連立政権とは、二つ以上の政党が協力して政権を運営すること。それらの政党は、必ずしも方向性が近いとは限らない。





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