【墨と割り箸を使うさとかいう詭弁は禁止】 遊:進路希望書などというものを渡された。 公:そりゃ、高校二年生だしな。書かされる頃合だろ。 遊:冷静になれ、こんなものを書いてしまうのは自分の可能性を狭めてしまうだけだ。 人の未来は白紙であるからこそ、無限の創造性を持ったキャンバスなのだと。 公:まっさらな画用紙があろうとも、絵の具と筆が無ければ絵は描けないと、 気付かなければならない年頃でもある訳だがな。 【日本語はいつだって奥深い】 公:とりあえず消去法でいいんじゃないか。 どう考えても絶対に無理なものから潰していけば、方向性が見えてくるかも知れん。 遊:具体的にどういったものだ。 公:うーん、アイドル、とか? 遊:その断言をしない半疑問形が、むしろ強調の意に聞こえて腹が立つな。 【異性として認識してないから仕方ない】 公:前に会社員は無理だって言ってたが、バイトを見る限り案外いけそうだけどな。 遊:バイトだから出来るんだ。あのテンションを主軸に生活したら、私が私でなくなる。 公:含蓄のある意見のようでいて、現実逃避の類じゃないか、それ。 遊:女とは、幾つもの仮面を被って生きているのだ。 偏った仮面ばかり身に着けていたら、素顔を忘れてしまうだろ? 公:幾らかの理を感じないでも無いが、遊那が言ってると思うと釈然としないのは何故だろう。 【そのくらいの方が人生は楽しい説】 遊:まあいい。大学進学とでも書いておけば体裁は整うだろう。 公:進路指導や、三者面談の時はどう乗り切る気なんだ。 遊:うちの家訓は、『なるようになるし、なるようにしかならない』だぞ。 誰一人真面目に考えてやしないし、その時に何とかするに決まってる。 公:これがついさっき、自分の未来を白紙のキャンバスに例えてた奴の言うことだろうか。 【素人相手の司会業並の苛酷さ】 麗:パニックホラー系のゲームは、何故いつもゾンビを蹴散らすのでしょうか。 公:その唐突すぎる疑問を、俺に向けた理由を聞きたい。 麗:七原さんでしたら、どの様な話題でも面白く転がせるという信頼からでしょうか。 公:世間はそれを、無茶振りの一言で片付けるがな! 【勇猛と書いてバカと読む現実】 公:何でと言われてもなぁ。 見た目がオドロオドロしい、元が人間で感染するから恐怖心を演出しやすい、 怪物の割に動きがトロいからゲームとして成立しやすいとかかね。 麗:まさかその様な、実に真っ当な答が返ってくるとは思いませんでした。 公:西ノ宮は俺に何を期待してるんだ。というか、軽いボケ潰しだろ、それ。 麗:高ければ高い山である程に越えたくなる、その様に勇敢な男だと信じていますから。 【十年余りでプレイ数は僅かに五本】 麗:いえ、この間、父や妹達がやっているのを見て、ふと思っただけなんですけどね。 公:俺を煽った理由に、全くなってないのが逆に凄い。 麗:それにしても、幾つものジャンルのゲームを出来る人は、少し羨ましくもあります。 公:何だそりゃ。うまくやるならともかく、遊ぶだけなら誰でも出来るだろ。 麗:私は、一度始めたらある程度極めるまで止まりませんので、複数はちょっと無理です。 公:あ、はい、そういった事情なら、致し方ないことやも知れません。 【実在の委員長は癇癪持ちじゃなかろうか】 麗:ともあれ、ゾンビが頻出な理由は分かりませんでしたので、 私の中の謎フォルダに保存しておこうと思います。 公:それ、溜まる一方で、一生減ることはない危険な宝箱だ。 麗:たしかに中学二年の時、何かの委員だった訳でも無いのに委員長と呼ばれていた件は、 未だに解明されていませんね。 公:仕切り屋で正論が得意なんだから、必然の気がする俺は毒されているのだろうか。 【ギンナンはともかくイチョウは読めない】 岬:イチョウって、漢字だと銀の杏って書くんですよね。 公:ん? 茶碗蒸しとかに入ってるギンナンもそうじゃなかったか? 岬:ええ、銀杏の木についた実のことを、銀杏と呼ぶ訳ですね。 公:何だか軽い漢字検定っぽくなってる気がしないでもないが、 先人が何を思ってこんな設定にしたのか、ちょっと問い詰めたい気分だ。 【専門の鑑定士が欲しいところである】 公:つーか、イチョウにしろ、ギンナンにしろ、どこらへんに銀要素があるんだ。 葉っぱはメチャクチャ黄色いし、金杏なら分かるんだが。 岬:実が乳白色なんで、それを銀色ってことにしたと聞いたことある気がします。 公:言語って、奥が深いな。 岬:白髪も、ちょっと光沢が認められれば銀髪扱いになる世の中ですからね。 【モミジだって紅葉って書くものな】 公:ってことは、イチョウって言葉は、ギンナンの付属品ってことか? 岬:順番としては、イチョウという音が先にあって、 ギンナンが実をつける木だということで、同じ漢字にしたんじゃないですかね。 公:どうしてそこで言葉を統一するか、或いは漢字を別にしなかったのかが謎だな。 岬:私個人としては、面倒だった説を推奨したいところではあります。 公:案外、そんなもんだったりするのが、困ったところではあるよな。 【完全なるオリジナルなど存在しないという考え方】 公:桜とイチョウは散るからこそ価値があると、とりあえず俺が言ったことにしておこう。 岬:日本人らしい風情があるようでいて、 先輩が言ったことにすると残念な気がするのはなんででしょうか。 公:人とは所詮、フィルター抜きで物事を判断できやしない生き物だからな。 岬:それも多分、どこかからの引用か、盗用なんでしょうねぇ。 【適材適所とはよく言ったものだ】 千:よく、無能な働き者は組織に要らないって言うじゃない。 公:あー、定期的に聞くな。 正確には、自己顕示欲の強い無能が要らないって気もするが。 千:その点、僕は言われたこと以上のことは全くしようともしない、 お飾りとして理想に近いくらい有能だと思うんだよね。 公:無能の話をしていた気がするんだが、それが有能に転ずるとはこれ如何に。 【苦手なことは無理にしない方が世の為】 公:あとは、有能な働き者は作戦参謀に向いてるだっけか。 千:まさに桜井姉妹だね。 公:あの家、適性が無いのが生まれたら、別の道を選ばせてくれるんだろうか。 千:流石に公康くらい立案や調整の能力が低かったら、破門みたいな感じで断念させるんじゃないの。 公:さりげに、俺を引き合いに出す意味が全く無かったよな! 【少なくても有益な活用はしていない】 公:有能な怠け者は、司令官に向いている。 ものぐさ故に、無駄のない部隊運用をしてくれるだろう、か。 千:ゲームで、効率プレイ極めすぎちゃう人の話かな。 公:ハマっちゃう奴は、間違いなく怠け者の部類なんだろうが、 それを有能に分類していいかどうかは、別枠で検討した方がいい気がするぞ。 【結局こいつらも日本人だからな】 公:無能な怠け者でも伝令くらいは務まるだとよ。 千:こうして見ると、働き者って有能と無能で天地の差だよね。 無能は銃殺刑にしろって言われたって聞いたことあるけど。 公:そう考えると、怠け者は能力に関係なく、居場所があるってことか。 千:日本社会に於ける勤勉至上主義への警鐘なのかも知れないね。 公:的を射ている気もするが、単に怠惰な奴の言い訳にも聞こえてくるから不思議だな。 【作者の一杯一杯さ加減が滲み出る】 海:さて、皆さんはギャグマンガを読んでいて、 マンネリだなと感じたことはないでしょうか。 舞:まあ、これはシリアスものにも似たようなことが言えるのですが。 海:ギャグであると、展開が早いこともあってパターンが出尽くし易い訳で。 結:そこで今日は、ギャグマンガの連載期間は、どれくらいが最適なのか。 舞:この議題について、徹底的に語っていこうと思います。 公:なんだ、この目先を変えて新たな雰囲気を構築しようと模索したものの、 微妙に滑ってる文字通りギャグマンガみたいな展開は。 【更に言い換えると通常営業である】 公:何故に、討論番組風味なんだ。 海:昨日、その手のものを見た以外の説明が必要かね? 公:そう居直られると、いっそ清々しい気分にすらなってしまうな。 舞:若さとは、つまり染まりやすいということ。 結:海流に乗って、気付けば陸地が見えなくなるのもやむを得ないのではないだろうか。 公:要約すると、落とし所に関しては全くのノープランってことだな。 【天使と悪魔の葛藤的な】 結:さて、ギャグマンガと一言に括っても、その種類は様々。 舞:親子で楽しめる健全なものから、ニッチ過ぎて極一部の方にしか楽しめないものまで。 結:一緒くたにすると、焦点がぼやけてしまうのではないでしょうか。 舞:中々によい着眼点ですな。 海:では本日は、少年誌に於ける十ページに満たないギャグ多めのものについてということで。 結:その件に関して、異議はありません。 公:今更ながら、こうして三人で討論してると、誰かの脳内会議に見えてきた。 【オチを求めるのは軟弱者の証左】 舞:あの類の作品は、勢いが重視される傾向がありますな。 結:その為、作者が疲弊し、あっという間につまらなくなりがち。 海:しかし全盛期を忘れられず、読者、作者、編集共に、辞め時を見失う。 結:結果、駄作と評されることになってしまったものがどれだけあったことか。 舞:宿命に近しい物があるとはいえ、切ないものがありますなぁ。 公:この与太話に付き合ってやってる俺って、 実はすげーいい奴なんじゃないかと思えてくるから大した連中だよな。 【まるでゲームに於けるクラスチェンジみたいな扱い】 綾:妖怪に会いたいですわ。 公:お爺さんが、そう呼ばれて久しいじゃないの。 綾:知りませんの。妖怪と呼ばれた政治家が政治生命を全うすると、 土地神の如く昇格して崇められますのよ。 公:この孫、祖父をオモチャにしてはばからないド根性の持ち主だ。 【日本人的にはいつものこと】 公:つうか、妖怪と土地神って、何か本質的に違うんだっけか。 綾:日本の民族学的に言えば、畏れられたら妖怪、崇められたら神様ですわ。 公:害虫と益虫みたいな区分だな。 綾:こういった匙加減一つで物の是非を決めてしまう人類が、 閻魔様の気分一つで命運を決められてしまうのは必定なのかも知れませんわね。 公:綺麗に締めたようでいて、神道と仏教がごちゃ混ぜになってる訳で。 【どれが一番強烈かは人に依るらしい】 公:で、何で妖怪に会いたがってんのさ。 綾:超常的な存在を認識することで、自分とは何かを見詰め直してみたいんですの。 公:成程、何言ってんだか分かんないことが分かった。 綾:ライブ会場やテーマパークヘ行って、目一杯楽しんだ後、 普段の生活に戻らないといけないと気付いた時の類型だと思って頂いて構いませんわ。 公:日曜の夜、特定の番組を見てると襲ってくるアレみたいなもんか。 【新種の現代妖怪として登録すべき】 公:三つ子辺りで妥協しとこうぜ。日常の中の非日常だろ、あいつらは。 綾:そろそろ感覚が狂ってきたのか、実に常識的な存在に思えてきてますの。 公:一年の一学期も終わってないのにこの悟り様、どうしてくれようか。 綾:どの様な環境であろうと、人は慣れることが出来る。そこに鍵がありそうですわね。 公:そこまで大層な扱いを受けたのなら、彼奴らも本望な気になってきたぜ。
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