邂逅輪廻



【井の中の蛙は幸せ者という考え方】
遊:世界は、広いよなぁ。
公:どうした、近所で無敵のゲーマーがオンラインに繋いだら、
 あまりのレベルの高さにトラウマ覚えたみたいなこと言い出しやがって。
遊:貴様、もしや妖怪サトリの類か。
公:こんなのが当たっても、全くもって嬉しくないのが話の肝だな。


【コミュニティ自体が崩壊しそう】
遊:あいつら頭おかしいだろ。
  情報サイトに載ってるデータ丸暗記が最低線とか言い出すんだぞ。
公:俺に言われても、割とマジで困る。
遊:悔しいから嘘情報を撒き散らそうかと思ってるんだが、
 成功率はどれくらいあると思う?
公:そういうのは桜井シスターズの管轄だと思うんだが、
 あの二人が本気出したら、それはそれで面倒なことになりそうでなぁ。


【多分だけど流行らないんじゃないかな】
綾:レアドロップという言葉があるそうですわね。
公:ゲームやなんかで、手に入る確率が低く設定されてるもののことだな。
  使えるアイテムでないと適用されないのかまでは知らん。
綾:全く無益なものを低い確率に、有用なものを高確率に設定した場合、
 どの様な反応を示すのか興味が湧いてきましたわ。
公:俺はそういう性格悪い心理実験を思い付く貴方に、興味津々です。


【自慢できない希少品に存在意義はあるのか】
綾:考えように依っては、骨董趣味と大差ありませんわ。
  極端な話、コレクションなど一人が貴重だと思えば成立するものですもの。
公:奥さん視点ではゴミにしか見えない抗争は、いつ以来の伝統なんだろうな。
綾:誰かが欲しがることに依ってのみ、モノには価値が生まれる。
  経済原理とは、どこまで行っても単純に出来てますわね。
公:レアドロ一つで、よくもここまで話を奥深いっぽく出来たもんだ。


【人とは常に隠されたものを知りたがる】
岬:サビを耳にして、『お?』って思って全部聞いてみたら、
 意外と微妙だったってことあるじゃないですか。
公:まあ、あるな。
岬:人間関係も、案外そんなものなのかも知れませんよね。
公:何がどういう経緯でそんな悟ったことを考えたのか、
 今はその全容が知りたい心持ちです。


【高級ワインほど飲み頃まで時間が掛かる的な】
岬:私の経験則で恐縮なんですが、
 第一印象が面白い人って、大体、それが最高到達点なんですよ。
公:本当か、それ?
岬:その点、先輩はジワジワ尻上がりで味が出てくる、
 珍味、乾物のようなタイプですよね。
公:これが褒められてるのかどうか今一つ分からない俺は、
 人生の熟成が足りないのではなかろうか。


【パワーでゴリ押しが最強だよな】
千:結局のところ、中の下くらいの立ち位置が一番息が長いよね。
公:親友が、いきなり枯れ切ったことを言った場合、どうすればいいのか。
千:いや、トップカテゴリは主人公に蹴散らされるし、
 中の上くらいだと手頃な噛ませ犬だし、その下くらいがいいのかなぁって。
公:それ、バトル漫画の序列じゃないかと思いつつ、
 割と現実社会でも応用できるんじゃないかと検討してしまった俺はどうしよう。


【そっちも大概インフレがおかしい】
公:でも、中の下って割と実力あるけど、出番は残念って感じがするんだが。
千:そこはそれ、解説役になればいいんだよ。
公:あの稼業も、表現力、知識、リアクションと、必要なものが多いからなぁ。
  しかも枠は大して無いから、競争率が意外に高い。
千:バトル作品で努力なんて才能の前じゃ塵みたいなものだし、
 着実に積み重ねられるだけ狙い目だと思うんだけどね。
公:最後は顔芸という、一種の天賦で決まる部分があるけどな。


【四人全員選挙参謀という稀有な家庭】
茜:人間って、集団を作ってある程度経つと、必ず派閥を作るのよ。
公:断言っすか。
茜:逆に聞くけど、個人のカリスマで保ってるような組織は別にして、
 その手のものが一切無い団体って思い付く?
公:桜井家という狭いお家でさえ、
 お父上派と茜さん派で割れそうなイメージが湧いてしまう自分が怖いです。


【距離感の掴み方が分からん人だ】
茜:まあ、お父さんはいずれ叩きのめさないといけない対象だけど。
公:それを言うのは、普通男子ですよね。
茜:お母さんを超えたいって女の子は割と居る気がするけど、
 倒したいってのはあまり見付からないかもね。
公:そして俺達は、何の話をしていたんでしたっけ。


【学問は実用してナンボのタイプだし】
茜:切磋琢磨するくらいのライバル関係ならいいんだけど、
 組織そのものを弱らせるまでやるって、本末転倒じゃない?
公:ああ、そうそう、派閥の話でしたっけ。
茜:ここまで来ると、多分、遺伝子に組み込まれてると思うのよ。
  具体的に言うと、何割かは死のうとも残りは生き残る為の、
 つまりは種を優先させる生物の本能というか。
公:この人がこういうことを言う度に、
 どういう風に応用する気なのか戦々恐々する日々です。


【この世界では牧歌的光景】
茜:時間的に余裕があるなら、敵方が一致団結できないように、
 あれやこれやの工作をして内部対立させるのは基本だよね?
公:どこの世界の基本なんだろうか。
茜:まあ、基本なんてみんなが分かってることで、
 具体的にどう構築するのかが参謀の価値なんだけどね。
公:どうにもこうにも、会話を成立させるのが難しい奴ばかりだな!


【鋭意努力は怠らない】
結:小悪魔って言葉あるじゃん。
公:はい、ありますね。悪戯っぽく男性を誘惑する女性のことだったでしょうか。
舞:一方で、大悪魔ってのもあるじゃない。
公:ございます。一般には、キリスト教などに於ける最上位悪魔のことを指すようです。
海:ところで、その奇妙奇天烈な話し方はなんなのさ。
公:新しいツッコミを模索しようと思ったが、疲れたからもう辞める。


【どの位の格なのかがイメージできない】
舞:思ったんだけど、小さいと大きいなのに、
 意味合いやカテゴリがここまで変わるって、日本語は奥深いなぁって。
公:そういや中悪魔は聞いたことないな、不可解なことに。
結:中って、中途半端とか、中だるみとか、あんまいい意味が無いからじゃない。
公:中間管理職は、苦労しかしてないイメージもあるしな!


【解釈としては遠からずの様な】
海:小天使と大天使って、普通にどっちも天使のことだよね。
公:天使を九段階にランク付けした時、一番下と、二番目に下だったか。
結:え、大天使って凄そうなのに、下から二番目なの。
公:たしか、天使ってのは格が上がれば上がるほど精神性が高くなって、
 肉体的な現世に干渉しづらくなるとかなんとか。
舞:ネトゲなんかを極めると、どんどん社会と乖離していくみたいな感じかな。
公:こういう時、敢えてコメントを避けることも大事だと思うのですよ。


【小女という言葉もあるにはある】
結:大男、小男はあるのに、中男も無いような。
公:中背を使うことが多いよな。小背や、大背は無いのに。
海:いやー、世の中どうして、謎が多いものですなぁ。
公:こんなことを一々ほじくり返すお前らが一番の謎だと言ったら、
 微妙に敗北した感じになる現状は打破すべきではないだろうか。


【無断で削除は殴られても文句言えない】
麗:父が言っていました。ゲーム関連の恨みは、生涯持ち越すと。
公:分からんでもないが、高校生の娘が四人居る父親の言うことだろうか。
麗:レースゲームしかしない私には分かりかねるのですが、
 セーブデータというのは、そんなにも大事なものなのでしょうか。
公:方向性はともかくとして、汗と涙と血の結晶ではあるから、
 青春そのものだという人も居ない訳じゃないな。


【昨今のハードは頑丈すぎるという本末転倒な意見】
麗:母が誤ってブレーカーを落とした時に父が発した絶叫は、
 おそらく家族の誰もが忘れないでしょう。
公:精神が小学生で止まっているかのようなエピソードだな。
麗:あとは猫リセット、でしたっけ。
  初期のテレビゲームは、猫が踏んだくらいで動かなくなるんですよね。
公:あんたの家は猫より恐ろしい三人組が住んでるだろと言いかけたけど、
 あいつらは父親と同じくらいゲームを愛してやまないからな。


【こうして無益な設定が増えていく】
公:そういう意味じゃ、格ゲーとか、レースゲームみたいな、
 腕がモノを言うジャンルはその手の恐怖が無いな。
麗:レコードタイムは、ノートに書き留めておけば何の問題もありません。
公:サラッと、何か言ったぞ、この人。
麗:ああ、ですが仮に、五歳の頃から書き溜めた三十三冊の記録を紛失したら、
 相当に落ち込むかも知れませんね。
公:ここは一つ、優男にありがちな特殊能力、難聴を発動してもいいのではなかろうか。


【オッサンはオッサンで侮れないからな】
麗:あとは、嘘攻略と言いますか、デマに踊らされる話でしょうか。
  最近は情報網の発達ですぐさま看破されるので、風情が無くなったと言っていました。
公:会ったこともない、人様の親だが言わせてくれ。
  アホだろ。
麗:関西人でもないのに、アホは褒め言葉と喜ぶタチなので問題ありませんね。
公:そろそろ、どうやったら勝てるか、検証をしてみる段階に入りつつあるな。


【脳は適度に情報を最適化する】
公:降水確率って、十パーセント刻みで面白みが無いよな。
莉:どうしろって言うの。小数点まで出すとか?
公:『明日、一ミリ以上の雨が降る確率は、三十二.六パーセント』とか言われて、
 傘を持っていく判断に、何か影響すると思うか。
莉:三十パーセントの時と、何ら変わりはしないだろうね。


【局所的なにわか雨くらいなら或いは】
公:そうじゃなくてさ。
  もっと情緒的というか、比喩的なものを使ってもいいんじゃないかって思う訳だ。
莉:ゴメン、何言いたいのか、よく分かんない。
公:具体的には、『明日の降水確率はスポーツマンガの世代交代が成功するくらいです』みたいな。
莉:カラッカラの快晴になりそうだね、それ。


【作者すら忘れてしまいそうな設定】
公:『ラブコメ作品に於ける幼馴染ヒロインが勝利するくらい』とかもありだな。
莉:微妙過ぎて、何とも言えない。
  ってかそれ、男の子向けと女の子向けで、結構違うような。
公:俺個人の話をするなら、思い出の幼馴染というものに何の幻想も抱いてないから、
 高かろうが低かろうが、知ったことではないがな。
莉:そりゃまあ、異性だと思って遊んでた子が千織だったなんてオチが付けば、そうもなるよね。


【限りない類友と呼べるアソシエーション】
公:バトルもので、『最強すぎる能力者が敗北しないまま退場するくらいの確率』ってのはどうだ。
莉:台風でも来てるのかな。
  っていうか、何でさっきから少年マンガ縛りっぽくなってるのさ。
公:大体のスポーツものは、三年生が抜けたら残念なチームになるか、
 主役級が同学年に固まりすぎてるかの二極だなって思ったところから着想したからな。
莉:それを降水確率と絡める公康って、三つ子ちゃんをどうこう言える頭の配線してないなぁ。


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