【そろそろ解放して】 結:神の声を聞いたんだけど。 公:西ノ宮〜。妹さんが、軽い末期症状だぞー。 麗:十五歳と言えば、それなりの自我が認められる年齢です。 身内に一々、回す必要はありません。 舞:お姉ちゃんは、つれないなぁ。 【虱潰ししか無さげ】 公:君達の顔でジグソーパズルを作ったら面白いんじゃないか? 海:ん? 舞:どゆこと? 公:三人それぞれの顔をジグソー化して、全部ごちゃ混ぜ状態から再構築するなら、 物凄い難易度になるんじゃないかと思うんだ。 麗:一体、何処のマゾヒストが挑戦すると言うんですか。 【無謀な要望】 公:三つ子の有用な使い道など、同時に出てビビらせるくらいしか思いつかん。 麗:先ず、使うという前提が間違っていると思うのですが。 公:アリバイ工作や、DNA鑑定対策なんて、学生には必要ないしなぁ。 麗:私と致しましては、少し会話を成り立たせて頂きたいのですけどね。 【妹的私見】 公:四つ子だったら、トーナメントとか楽なんだけどな。 麗:とりあえず、三つ巴に謝って下さい。 結:何だかんだ言って、お姉ちゃんと七原さんって合ってると思うんだけど。 【とても棒読みです】 空:クゥゥ、右手が、右手が言うことを聞かないぜ。 公:何で反芻したんです? 空:俺のソウルが呼応したからとしか言えねぇなぁ。 公:綾女ちゃんも、こんな立派な反面教師が居て羨ましいなぁ。 【末子達の攻防】 綾:欲しいのでしたら、差し上げますわ。 公:珍妙な兄なら、既に所有しているから必要ない。 岬:ここで、ややこしい姉を引き取ってくれるんですか? 空:君達、中々に物怖じしないねぇ。 【親ですら制御不能】 麗:何度も言う様ですが、『お兄ちゃん、お姉ちゃんだから我慢しなさい』、 と言われたことが無い方に私達の気持ちは分かりません。 空:良いこと言うねぇ。 公:共感しちゃってるぞ、おい。 岬:うちのお姉ちゃんに関しては、そんなこと言われるはずもないんですけどね。 【迷走っぷりは御家芸】 公:兄姉、弟妹問題は、環境問題に匹敵する人災として政治的解決を図らなくてはいかんな。 岬:本当に動いたら、お腹を抱えて笑いますけどね。 公:よぉし、そんな岬ちゃんを見る為に、俺、頑張ってみるぞぉ。 麗:一体、何でこの様な話になったんでしたっけ。 【リードエアー状態】 公:筋肉が、筋肉が覚醒を始める。 身体がメキャリと音を立てて一回り大きくなるのを感じるぜ。 岬:パンプアップは、血流を一点に集中させることに依って筋力を増強するだけで、 当然、総体重量が変わる訳も無いんですけどね。 公:そういう正論を言うのは、如何なものなのかなぁ。 【残念な現実】 公:尚、千織の筋量は文化系痩躯少女より少ないと専らの噂だ。 千:そんなに褒めないでよ。 岬:面白そうですから、電気刺激で筋力を増強する装置を試してみたいですよね。 公:科学や医学の進歩には、いつだって犠牲が必要なんだなぁ。 【綾女がマシに見える】 公:正しいことを成す為に必要なものは何だろうか。 茜:う〜ん、権力? 綾:コネクションは、大切ですわよ。 岬:実弾攻撃も、何だかんだ言って大事だと思いますね。 公:早くも、この面子に聞いた俺を疑問に思ってしまうぜ。 【攻撃的ヒロインだからです】 公:一人くらい、大志とか、信念とか言える輩はおらんのか。 綾:そんなもの、最低限の前提じゃございませんこと。 茜:それがあるからこそ、正しいことなんだよ? 岬:七原先輩は、しょっちゅう理解出来ないことを言うものです。 公:そして、何でここまで責められているのか、今一つ分からなくて困る。 【歩く細菌ということか】 公:蟻は、例え一万メートルの上空から落ちても着地出来るらしい。 遊:何の豆知識だ。 公:これを応用すれば、肉体一つでの大気圏突破も、不可能ではないと信じている。 遊:お前の様な奴は、一度、炎で魂を浄化されるべきだと思うんだがな。 【遊那の分際で】 公:滅菌ブームに流されおって。人間は、何兆という細菌と共存しているのだぞ。 遊:目に見えるものは腹立たしく、見えなければ気にならない。 人とは、そういうものだろ。 公:こいつ、たまに核心を突きやがるからタチが悪い。 【一捻り欲しかった】 遊:しかし、それが悪性を帯びた時、目に見えないが故の恐怖を覚えさせる。 中世の欧州で流行した、ペストの様にな。 公:テストの点は悪いくせに、そういうハッタリ系の知識は得意だよな。 遊:ふっ、私の知性は、ペーパーテストで計れるものではないということだ。 公:言い訳に関しては、お約束の極みってのはどうなんだろう。 【完全に何が何やら】 岬:遊那ちゃんは、先輩と同じく詐欺師の仕事とか向いてると思うんですけどね。 公:こいつの、何処に親しみやすさがあるんだ。 遊:さりげなく、酷いことを言ってるだろう。 岬:では、現代の合法詐欺師、消費者金融の取立て役などは如何でしょうか。 公:本当の意味で全て合法な輩など、居るか怪しいもんだけどな。 【自分で振っておいて】 公:遠い親戚の、遺産が舞い込んできたりしないだろうか。 麗:それで、何に使うんですか? 公:――ん? 麗:ここでの返答如何で、器があっさりとバレるものなんです。 公:もしや俺は、抜けようのないアリジゴクへと吸い込まれたのではなかろうか。 【分かり易い願望】 千:差し当たり、僕は御殿を作るね。そして女の子達と一緒に暮らすんだ。 公:この様な返答だけはすまいと思う。 麗:ですけど、世の男性の八割五分まではこんな感じですよね。 【凄まじいレベルの毒舌】 茜:う〜んと、額にも依るけど、足りるんだったら衆参両院で新党立ち上げたいな〜。 公:ヤバイ。金で叶う願望の桁が違う。 千:ひょっとしなくても、僕、当て馬に使われてない? 公:お前の人生は、いつだって当て馬しか残されていないのさ。 【この子は何歳だ】 綾:私は……そうですわね。保護林でも手に入れることに致しますわ。 公:貴様。無闇と好感度を上げる真似をしおってからに。 綾:物欲だけを埋めるということが如何に虚しいか、皆さんが分かっていないだけですわよ。 【フラグは何処なのやら】 公:そういう西ノ宮はどうなんだよ。 麗:私ですか? そうですね。妹達の学資として、取っておこうかと思います。 公:何だかんだ言って、良いお姉ちゃんだよなぁ。 麗:そんなにおだてても、喜んだりしませんよ。 【単に泡銭感覚かも】 岬:私も、独立開業の資金として貯金ですかね。 公:夢があるんだか無いんだか。 岬:額が余りに大きい場合、お姉ちゃんに頼んで資産運用とか考えなくもありませんけどね。 公:金のことは肉親でも他人と思えという俺は、どうやら古臭い感性の模様だ。 【本音は何処ですか】 遊:ふん、皆、夢が足りないな。 公:では、浅見遊那様の、壮大で豪快なお金の使い道をお伺いしようか。 遊:足長おじさんとなって、子供達の未来を育む以外に考えられるものか。 公:良い話のはずなのに、こいつが言うと信憑性が無さ過ぎる。 【分かり易い転落人生】 岬:それで、結局、先輩はどうするんですか? 公:商売でも始めるかね。俺のセールストークとマダムキラーな笑顔さえあれば、 商店街システムの復活さえ不可能ではあるまいて。 岬:そしてマージンだけキッチリ頂く、胡散臭い経営コンサルタントに成り下がるんですね。 公:良い話だったのに、台無しにするんじゃない!
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