邂逅輪廻



【普段の徳が大切】
公:妹が欲しい。
遊:ついに、本格的に頭がやられたか。
岬:残念な結末です。
莉:だ、大丈夫だよ、公康。今は医療も進歩してるから。
公:お前らが俺のことをどう思ってるか、そこはかとなく理解させて貰った。


【逸脱率百二十パーセント】
莉:ほ、本気で言ってたの?
公:何が悲しくて、こんな訳分からん冗談を言わねばならんのだ。
遊:冗談と言うのは、訳が分からない中に面白さがあると思っていたのだがな。
公:甘いな、遊那。真の笑いとは、理不尽な中にも、それ相応の整合性を持っているものなのさ。
 単に意味不明な言動は、笑いを捨てた、只の妄言に過ぎないのだよ。
岬:それで、これは一体、何の話でしたっけ。


【ややもすると美学】
公:嗚呼。可愛い妹を持ってる茜さんが羨ましい。
茜:ふえ?
岬:そんなに、嫉む程のことですかね。
遊:可愛いの部分はスルーか、岬。
岬:……ぼっ。
公:その、時間差で赤面する辺りが、素晴らしいのだよ。


【堕落天使キミヤスーン】
公:そういや、綾女ちゃんも兄貴、居るんだっけ。
綾:良く憶えておりますわね。
公:良いなぁ。家に帰れば妹が待ってるって、実に良いなぁ。
綾:生憎と、留学中ですわ。
公:良し。だったら、この国での兄さんに、俺がなってあげよう。
 さぁ、思う存分、甘えるが良い。
綾:謹んで、お断り申し上げますわよ。


【そろそろ病院送り】
公:姉さんが欲しい。
遊:もう、お前は黙っていろ。
公:ああ、その感じ。もっと罵って、お姉様っ!
岬:姉妹を持っていない人は妄想が膨らむと聞いたことがありますけど、
 これ程とは思いませんでした。


【ツッコミ不在は大変】
公:ある意味、脳内姉妹って最強じゃね?
遊:岬。撃ち殺して良いか?
公:ハハハ。俺を殺ったところで、第二、第三の姉、妹症候群が生まれるだけのことよ。
岬:手遅れって、実に残念で、寒々しい気持ちになりますよね。


【新日本姉妹党結成】
公:やっぱ、姉、俺、妹の順の三人が最強だよな。一姫二太郎など、邪道そのもの。
岬:あれは、単に育てやすさの順番だったと思うんですけど。
公:この少子化時代、そんな軟弱なことでどうするっ!
 俺は、姉キャラ、妹キャラ量産政策を以って、国会に殴り込むと決めたっ!
綾:余りに斬新過ぎまして、掛ける言葉も見当たりませんわよ。


【国にまで迷惑を】
公:メイドって、良いよな。
遊:……あれだ。こいつを世間に晒すこと自体、犯罪に等しいんじゃないのか。
岬:物凄い物言いだね、遊那ちゃん。
公:嗚呼。しかし、ネコミミスク水っ娘も捨て難い。
岬:とりあえず、公安に手を回すことも、考慮に入れておこうかと思います。


【一冊ずつじゃダメなのか】
岬:図書室で読書というのは、心が落ち着くものです。
公:ってか、この山の様な書物は何だ。
岬:参謀にとって、速読は必携のスキルなんです。
公:微妙に、答になってない様な気がしないでもない。


【むしろ必須装備】
公:ところで、この『超心理学概論』ってのは何だ。
岬:分かり易く言うと、騙し合い化かし合いが極まった結果、
 予知能力を身に付けてしまうというお話です。
公:茜さん相手には、それを身に付けても、まだ足りないと思う俺が居る。


【一瞬で染まれる】
遊:世界を滅ぼす力が欲しい。
公:お前は一体、何を言っているんだ。
遊:いや。単に、それだけの力があれば、
 同時に抑止の力になるだろうという社会平和的な――。
公:とりあえず、その魔法大戦物の小説を引っ込めてからほざいて貰おうか。


【一種のパラドックス】
公:お前は、何だ。主成分が、スグソマールか何かなのか。
遊:その、一昔前の漫画風味のネーミングはやめて貰おうか。
公:ってか、そもそも、自覚は無いのか。
遊:甘く見るなよ。自覚があってこんなあっちこっちに行っていたら、
 照れが無い訳が無かろう。
公:こいつの脳内は、誰にとっても、真面目にブラックボックスだぜ。


【五大栄養素確保】
茜:乾物早食い大会(水分補給禁止)を開催しようと思うんだけど。
公:茜さんが、思いっきり有利じゃないですか。
茜:主要品目は、乾パン、スルメイカ、
 ドライフルーツ各種で、栄養のバランスもバッチリだよね。
公:そして、いつものこととは言え、少しは人の話を聞いて下さい。


【通じぬ乙女心】
岬:お姉ちゃんに勝負を挑まれたからには、退く訳にはいきません。
公:意地を張るところを間違えてる様な。
莉:わ、私も、二人がやるならやるよ。
公:お前も一体、何に対して挑んでいると言うんだよ。


【私を放置しないで】
莉:う〜。くひのらかがはさはさふふー。
岬:『う〜。口の中がパサパサするー』と言いたいみたいです。
公:いつものことながら、良く分かるもんだな。
岬:文脈と口の動きさえ見逃さなければ、案外、分かるものですよ。
莉:わ、わらりをろうりりないれー。


【二人はギブアップ】
茜:はみゅはみゅ。
公:普通に食い進めないで下さい。
茜:ん〜。多分、お腹が一杯になるまでは食べられると思うよ。
公:人間じゃない。地味だけど、この人、絶対に人間じゃない。


【ありがちな話】
公:マンホールの蓋が丸いのは、落下を防ぐ為だ。
岬:そうですね。
公:卵の形が楕円に近いのは、縦の衝撃に耐える為だぜ。
莉:らしいね。
公:どうだい。会話の端々に知性を混ぜる、俺のセールストークは。
莉:雑学本そのままの知識で、何を言っちゃってるかなぁ。


【物凄い変化球】
公:ふむ。今の感じでは、女性には受けが悪いのか。
岬:一体、何をしているんですか。
公:将来に備えて、口説きのテクニックも少しは磨いておこうと思ってな。
遊:しかしまあ、女性のサンプルが悪過ぎるとは思うがな。
公:お前だけには、言われたくない。


【たらい回しとも言う】
莉:き、公康。案外、運命の人は近くに居たりもするから、必要無いんじゃない?
公:甘いな。真の戦略家とは、常に次善の策を講じているものなのだよ。
岬:物凄くダメな人が居ます。
公:という訳で、俺の恋の選挙対策も宜しく頼むぜ、岬ちゃん。
岬:そういうのは、お姉ちゃんが得意ですから、そちらへどうぞ。


【涙で視界が】
茜:公康君、いきなり土下座して、どうしたの?
公:俺の生涯の伴侶を見つけ出すべく、お願いに上がった。
茜:えーと。それってつまり、女王様プレイを御所望?
公:人選と行動を、確実に誤った気がする俺が居る。


【余りに陳腐で】
公:昔、地方に一億円をバラ撒くって事業があったよな?
岬:私達が生まれる前ですけど、ちょうど色々と泡が弾けてる時期の話ですからね。
公:一度は思うよな。そんな金あるなら、俺個人にくれって。
岬:思いはしますけど、口に出すのは躊躇うのが普通ですけどね。


【二十世紀型公共事業】
岬:政策としては、意味不明であるというのが定説です。
公:岬ちゃん個人はどう思うの?
岬:生まれる以前で、子細を知らないので深いことは言えませんけど――。
公:けど?
岬:極めて頭の悪い発想であると、言わざるを得ません。


【さすらいの保身マスター】
千:犯人は、この中に居るような気がするよっ!
公:随分と、曖昧な探偵役だな。
千:何事も、失敗した時のリスクを考えて行動しないとね。
公:お前、案外、政治家向きの性格してるのかも知れないな。


【長い道のり】
千:密室トリックは、こうこう、こうすれば解ける気がしないこともない。
公:このミステリー、絶対に売れないな。
千:一回限りの短編なら、ギャグで済ませられるかもね。
公:その為には、人気連載作品を一本、作らないといけない訳だけどな。


コント連載中



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