【いきなりクライマックス】 綾:犯人はこの中に居ますわ。 千:な、なんだってー!? 公:綾女ちゃん、そう言い切るからには根拠はあるんだよね? 綾:そうしないと、物語が盛り上がりませんもの。 公:裏の意味で核心を衝くんじゃない。 【本当に自由人】 茜:これは無差別殺人なんかじゃないわ。犯人は明確な悪意を持っている。 私は、絶対に犯人を許さないわ。 公:茜さん――。 茜:あ〜、もう、こういうの一度、やってみたかったのよ〜♪ 公:お願いですから、ちゃんとやりきって下さい。 【それが彼女の生きる道】 公:遊那って、武器所持してるせいで犯人として疑われるけど、実際は殺される訳でも無く、 犯人でもないという、どうでも良い立ち位置になる典型例だよな。 遊:気にしていることを真正面から言うな。 【テストに出るかも】 岬:これは、石灰岩? それに、この鼻を衝く匂いは酢酸です。 つまり、これらから導かれる結論は――。 公:な、何だって言うんだ。 岬:混ぜると、二酸化炭素が発生します。 公:大学入試レベルの化学と来たか。 【ありがちシチュエーション】 ?:おいおいおい。女の細腕であんなガタイの良い奴を運べると思うか? 犯人は確実に男だろう。 莉:ねえねえ。千織と岬ちゃんを運んできたんだけど、何処に寝かせれば良いかな? ?:……。 公:続きを聞こうか。 ?:いや、もう良いや。 【ありがちその弐】 ?:あのなぁ。あんな狭い通気口、大の大人が通れる訳――。 公:……。 ?:……。 綾:一斉にこちらを見るのはやめてくださいまし。 【ありがちその参】 ?:俺はお前らなんて信じられるか! ここで固まってるより、 部屋に籠もってバリケードを作ってる方が安心できるね! 千:可哀想に。死亡フラグが立ったね。 公:ああ。この台詞を口にして生き残れる確率は三十パーセント以下だ。 ?:そういうことを言うな! 【ありがちその四】 ?:お前らなぁ。肩を外すっていうのは、映画とかじゃ簡単にやってるが、 かなり難しいんだぞ。素人が一朝一夕で出来るもんじゃない。 茜:あら、私達、良くやってるよ。ねえ、岬ちゃん。 岬:ええ。お姉ちゃん程のスピードは出せませんけど。 茜:選挙参謀の基本スキルなのよ。 公:何処の世界の基本スキルなのか、三ヶ月ほど問い詰めたい。 【皆さん御一緒に】 岬:陰謀と殺意渦巻く雪山の隠れた秘湯でまたしても巻き込まれてしまう負のジンクス。 永遠の新婦候補が婚前旅行で目にした悲しき真実とは――。 公:何それ? 岬:新式の早口言葉です。 【殆どサブリミナル】 茜:古き日本の匂いが残る古都京都で巻き起こる悪夢の連続殺人。悪魔の産み出す狂気のトリックに、 美人姉妹が挑む。完全密室の社殿全焼! 灰の中に埋もれる驚愕の全貌とは!? 公:さりげに、美人とか入れてたのを、俺は聞き逃してません。 茜:てへへ。 【そのまま一泊】 茜:列車トリックを暴こうと、小田急ロマンスカーに乗ったのよ。 公:はい? 茜:箱根の温泉、気持ち良かったわよ〜。 公:列車トリックは何処に行ったんですか。 【創作上の話】 綾:日本全国の警視庁捜査一課刑事を集めると、 警察官の総数を越えるという噂は本当ですの? 公:むしろそこがミステリな訳だ。 【徳島地方紙】 千:でも、架空なのに存在感があるものと言えば、毎朝新聞は忘れられないね。 公:ちなみに、実在する新聞なんだけどな。 【完全読者視点】 綾:死亡推定時刻を狂わしたのは、トリックですわ。 千:な、なんだってー!? 公:綾女ちゃん、その論拠は、明確に述べられるんだろうね? 綾:そうでないと、ミステリとして成立致しませんもの。 公:そりゃまあ、そうなんだけどねぇ。 【浅見遊那二号】 岬:舞浜先輩、完全に賑やかしの位置に落ち着いてますよね。 公:あいつの器はその程度ってことさ。 千:さりげに酷いことを言われた気がする。 【力でゴリ押し可能】 公:悪者に捕えられ、倉庫に閉じ込められました。さて、どう切り抜けますか? 莉:猿グツワを噛み千切って、ロープを引き千切って、見張りを殴り倒す。 公:しかし、出口には鍵が掛けられ、暗証番号が分かりません。どうしますか? 莉:壁を破壊すれば良いんじゃないの。 公:お前、ある意味、探偵向いてるな。 【敵に回すな桜井一家】 公:とある調査をしようとしたら、ドスの聞いた声で、『お宅には息子さんが居ましたね』 と脅迫電話が掛かってきました。さて、どう対処しましょう? 茜:逆探知で身元を割り出して、子供を誘拐すれば良いんじゃない。 公:同じ穴のムジナに入り込んでどうするんですか。 【そりゃまあ知恵袋だし】 岬:別解として、弱みを握って、こっち側に引き込むっていうのもありだと思います。 公:君達は、そんな発想ばかりかね。 【お腹空いてた】 公:これは、ダイイングメッセージか! 莉:「はたらのみつけ」って、何のこと? 公:むぅ、さっぱり分からんな。 岬:今晩のおかずは、鱈の煮付けにしようと思うんですが、どうでしょう。 公:いや、どうでしょうと言われてもどうでしょう。 【そういやあったなぁ】 岬:この事件の謎は私が絶対に解いて見せます。竹中半兵衛の名に掛けて。 公:書いた奴でさえ忘れかけてる、怪しげな設定を持ち出すんじゃない。 【見事な死に設定】 茜:あら、私だって一応、子孫なんだけど。 公:拍車を掛けてどうでも良いので黙ってて下さい。 【とりあえず責任転嫁】 綾:これは、完全密室殺人ですわ。 千:な、なんだってー! 公:綾女ちゃん、どういうことだい? 綾:何しろ、この扉を開ける手段が無いのですもの。 公:鍵を無くしたなら、そう言いなさいね。
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