【性差超越】 茜:夢が何かって言われたら、そうね〜。腐った豚共を一掃することかしら。 公:はひ? 茜:無血での政権転覆は、女の子共通の夢よね? 公:同意を求められても困ります。 【それ以前と人は言う】 茜:あ〜、でも安心して。表向きは可愛いお嫁さんってことにしてあるから。 公:何をどう安心すれば良いのか、解説を求めます。 【本職は暗躍】 岬:将来の夢ですか? それはもちろん、歴史に名が残る参謀になることです。 公:参謀が名を残したらダメだろうって突っ込みは、しちゃいけないんだろうな。 【別世界の二人】 岬:或いは秘書に全責任を擦り付ける様な政治家の悪行を匿名で暴露する、 仕置き人みたいな参謀を目指してみたいと思います。 茜:でも岬ちゃん。そういうのは個々にやるより、もっと奥深い所まで食い込んで、 一網打尽にした方が後々の為よ。 岬:成程。たしかにその通りです。 公:この姉妹に付いていけないのは、俺だけで無いと信じたい。 【夏目さん?】 莉:夢? そりゃ、――めさん。 公:何だよ。もうちょっとはっきり言えよ。 莉:に、二度も言える訳無いでしょ! 公:い、いきなり殴り掛かって来るな!? 【落語っぽい男】 千:夢〜? そうだなぁ。奥さんの尻に敷かれることかな。 公:珍しい奴だな。 千:何だかんだで、それが一番幸せなんだよ。 【皆の玩具】 莉:人のことは良いから。公康はどうなのよ。 岬:そうです。進退ははっきりと決めて下さい。 公:な、何で詰め寄られてるのか分からんが――とりあえず、無い。 莉:はぁ!? 世間がそれで納得すると思ってんの!? 公:世間って何だよ! 茜:うるうる。公康君、あの夜のことは遊びだったのね。 公:根も葉もないことで嘘泣きもやめて下さい! 【そこでは無い】 公:ふっふっふ。りぃの暴拳に対抗すべく、ハリセンを制作したぞ。 これで、圧力による恐怖政治ともおさらばだぜ。 莉:……。 公:はうぁ!? 指で弾いただけで只の紙屑に!? 莉:あのねぇ。 公:やはり、環境に配慮して再生紙を使ったのが問題だったか。 【副作用が怖い】 岬:ロイヤルゼリーって御存知ですか? 幼虫期にミツバチが摂取すると、 女王蜂になるというものです。つまり環境は、その生態さえ変えてしまうんです。 公:ま、まあそれはそれとして、この山と積まれた専門書は何? 岬:先輩が努力次第で大政治家になることだって、不可能じゃ無いんですよ。 公:何だかなぁ。 【頭打ちそうで】 茜:えいっ。やぁ。とうっ。 公:茜さん、何してるんです? 茜:あ、公康君、助けて〜。回転ドアに入るタイミングが掴めないの〜。 公:え〜っと――。 岬:いつものことなので、気にしないで下さい。 【主従逆転現象】 千:茶は和の心だよね。 公:お前、そんな趣味あったか? 千:着物姿の女の子が居れば、尚良いよ。 公:趣旨が抜本的に違うだろ。 【伝説はこれからだ】 公:時たま思うんだ。お前のその身体能力、帰宅部で眠らせるには惜しい、と。 莉:って言っても、格闘技系は五歳の時、何かの師範代を 再起不能にしちゃってブラックリスト入りしてるし。 公:早くもメゲそうな俺、ガンバ。 【伝説再臨】 ?:うぉおお! あいつの剛球、すげぇぞ! ?:椎名さん。あなたなら我がソフトボール部を全国に連れていけるわ! 莉:え、え。そ、そうかな? ?:キャプテン! 球を受けた丸山さんが気絶してます! 公:逃げるぞ、りぃ。 【この一時さえも】 公:ぜ、ぜえぜえ……あ〜、これでもう運動部には近付けないな。 莉:別に良いわよ。あんま乗り気だった訳でも無いし。 公:だったら何で付き合ったんだよ。 莉:そりゃまあ、一緒に居られると思ったし。 公:ん。声が小さくて聞こえなかった。 莉:何でも無い。 【その名はメアリー】 茜:ん〜、公康君。不思議だと思わない? 公:何がです? 茜:何でトランプって、キング、クイーン、ジャックだけなの? バランス的には王女様辺りが欲しくない? 公:んなこと疑問に思うの、茜さんだけです。 【ババァの成句】 茜:それにジョーカーのことをババっていうのは、全国の馬場さんに失礼じゃない? 公:それはもう、日本語の根幹に関わることなので何とも。 【食いついてしまった】 茜:キング、クイーン、ビショップ、ナイト、ルーク、ポーン。 公:今度はチェスですか。 茜:ねぇ、公康君。 公:はい? 茜:何で城壁であるルークが、飛車と同じ動きなの? 公:……言われてみればそうですね。 【謎の多いゲームだ】 茜:でも、最強の駒がクイーンっていうのが良いわよね。 家庭でも政治でも、実権を握るのは裏方って感じがして。 公:だけど、妻を最前線に立たせる王様もどうかと思う訳ですが。 【出来ても困る】 公:岬ちゃんってさぁ、苦手なもの少なそうだよね。努力で何でも補うって言うか。 岬:そんなこと無いですよ。普通に色々苦手です。 公:例えば? 岬:椎名先輩みたいに掌底で樹齢三百年の大木を薙ぎ倒せませんし。 公:……。 岬:舞浜先輩みたいに、女の子へのメールは通常の三倍速で打ったりも出来ません。 公:それは確実に出来なくて良いことだから。 【素か計算か】 岬:それに淹れたてのホットミルクは充分に冷まさないと飲めません。 莉:さりげなく可愛さアピールしてるように聞こえるんだけど。 公:やっかむな、体力系。 【欲しいのは共有感】 岬:あ、それとカキ氷を食べると頭がキーンってします。 公:あー、なるなる。 莉:……なったこと無い。 公:め、珍しい奴だな。 岬:あまり居ませんよね。 莉:ムキー! 何かムカつく!
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