真 「……有害情報子の濃度が14%を超えた。静観していたかったけど、これじゃそうも言っていられない。ぐー……」 真 「管理局から苦情が来る前に、何とかしないと……ぐー……」
VS壱丸 ??? 「田村様? どうなされたのですか、こんな時間に……?」 真 「……壱丸? ぐー……」 壱丸 「はい、貴方様の壱丸です」 真 「……? 君の主は、僕ではないはずだけど。ぐー……」 壱丸 「言葉の綾です、お気になさらずに。それより、まさか田村様も異変解決に乗り出したのですか……?」 真 「うん。ぐー……」 壱丸 「い、いや、それはちょっと……お待ちになって貰えませんか? 眠っている田村様では、少し不安があると言うか……いえ、そんな貴方様も素敵ではあるのですが……!」 真 「……? 良く分からないけど、邪魔をするなら倒して進む。ぐー……」 VS月見匠哉 ??? 「なッ、真が壱丸を倒しただとッ!?」 真 「……匠哉がいる。ぐー……」 匠哉 「あっ、しまった――……って、別に隠れる必要もないか」 匠哉 「で、だ。一体どうしたんだよ、お前は」 真 「どうした、とは? ぐー……」 匠哉 「眠ったままなのに、何でそんなに強いのかって話だ。お前は、その『強さ』を封じるために眠らされたんだろ?」 真 「フッフッフッ……ぐー……」 匠哉 「な、何だよ、気持ち悪いな。そしてそれ以上に意味が分からんな」 真 「今の僕を見た以上、生かしてはおけない。ぐー……」 匠哉 「――はぁッ!!? お前、ノリに任せて何言っちゃってんのッ!!?」 真 「フッフッフッ……ぐー……」 匠哉 「だから気持ち悪いっつーのッ!!! 笑うか寝るかどっちかにしろーッッ!!!!」 VS美榊迅徒 真 「……ぐー……」 迅徒 「やれやれ……出遭ってしまいましたね、田村家の鬼子」 真 「ぐー……」 迅徒 「とは言え、重瞳を開いていないのなら、貴方は田村シンではなく田村真なのでしょう」 迅徒 「ならば、貴方に用はありません。見逃してあげますから、私の前から消えなさい」 真 「……1つ、言いたい事がある。ぐー……」 真 「勘違いしているのかも知れないけど、田村真と田村シンは別人格じゃない。性格の違いを、名称で区別しているだけ。ぐー……」 真 「多重人格ではなく、多重性格。田村真と、田村シン――性格以外は何も変わらない。美榊静音を殺したのは、間違いなくこの僕。ぐー……」 迅徒 「――……」 迅徒 「……だとしても、です。暢気な貴方が相手では、闘う気も起きません」 真 「じゃあ、僕の方から喧嘩を売る。ぐー……」 迅徒 「――何でそうなるんですかッ!!? ああもう、本当に訳が分かりませんよ貴方はッ!!!」 VS倉元緋姫 真 「……ようやく見付けた。ぐー……」 緋姫 「貴方は……先輩の友達の、田村さん?」 緋姫 「……へえ。一目で私の事を看破するなんて、さすがじゃないですか」 真 「目を閉じているから、見てはいないんだけど。ぐー……」 緋姫 「……何故ここで、そういう惚けた事を言いますかね?」 真 「ぐー……」 緋姫 「と、それより……今の田村さんからは、普段とは比べ物にならない程の理力を感じます。私が街を緊張させるために撒いた情報子を取り込んで、自分の外形を強化しましたか」 緋姫 「まったく、器用な人ですね。そこまでするくらいなら、素直にその重瞳を開けば良いとも思いますが……それを言うのは、さすがに無粋ですか」 真 「……とにかく、情報子をばら撒くのは止めて欲しい。ぐー……」 緋姫 「そうした方が効率的なんですよ、色んな人が出て来ますからね。外形の蒐集が捗るんです」 真 「……ぐー……」 緋姫 「ああでも、貴方は要りませんよ。『眠っている貴方』でも『重瞳に狂った貴方』でもない、『本来の貴方』なら――少しは、興味が持てたんですけど」 緋姫 「と言う訳で、倉元緋姫にやられて消えちゃってください」 真 「…………」 ??? 「――笑わせる。僕を殺したいのなら、神族の外形くらいは持って来い」 ??? 「今のお前は、ただの緋姫。狂うまでもない――眠ったままの僕でも充分だ」 緋姫 「……ッッ!!!?」 真 「……ぐー……」 緋姫 「はッ……大口を叩きましたね、田村さんッ!!!」 緋姫 「いいでしょうッ!!! そんなに死にたいのなら、骨も残さず砕き尽くしてあげます――ッッ!!!!」 VSマナ 緋姫 「あァァあああ……ッッ!!!?」 真 「……僕の勝ち。外形を破壊されれば、君はかなり力を殺がれ――」 緋姫 「あははッ、ははははは……ッッ!!!!」 真 「……?」 緋姫 「勝ったと思うのは早いですよ? 何故なら――」 マナ 「――まだ、マナが残っているからねぇ」 真 「……っ!?」 真 「外形を、変更した? そんな余力が残っていたとは……ぐー……」 マナ 「まったく、この外形は余り好きじゃないんだよ。でもまぁ、こうして兵器として使うならば便利かな」 真 「……ぐー……」 マナ 「ふふ、何だか余裕がなくなったねぇ……お望み通り、神族の外形を纏ってあげたのに」 真 「……ああいう冗談を本気にするのは、良くないと思う。ぐー……」 マナ 「ははは、ゴメンゴメン。でもほら、口は災いの元って言うでしょ?」 真 「ぐー……」 マナ 「さようなら、真ッ!! 災禍に呑まれ、永遠の眠りに落ちるがいい――ッ!!!」 マナ 「くッ……さすがに、限界か」 真 「ぐー……」 マナ 「仕方ない、今回も大人しく消えるよ。これ以上マナでいたら、本当にマナになっちゃうし」 真 「……僕も疲れたから、その方がいい。ぐー……」 マナ 「でも、分かってるよね? 私はすぐに力を溜め込んで、再び外形を質量化させ――」 真 「ぐー……」 マナ 「――って、こらぁ!? 帰ろうとするなぁッ!!!」 マナ 「私、まだ喋ってる途中ッ!!! 背を向けるな、スタスタと歩き去って行くなーッッ!!!!」 真 「ぐー……」
|