〜プロローグ〜

 
「……有害情報子の濃度が14%を超えた。静観していたかったけど、これじゃそうも言っていられない。ぐー……」
 
「管理局から苦情が来る前に、何とかしないと……ぐー……」


貧家格芸・アーケイドエイジ5
〜真ルート〜

大根メロン


 VS壱丸

 ???
「田村様? どうなされたのですか、こんな時間に……?」
 
「……壱丸? ぐー……」
 壱丸
「はい、貴方様の壱丸です」
 
「……? 君の主は、僕ではないはずだけど。ぐー……」
 壱丸
「言葉の綾です、お気になさらずに。それより、まさか田村様も異変解決に乗り出したのですか……?」
 
「うん。ぐー……」
 壱丸
「い、いや、それはちょっと……お待ちになって貰えませんか? 眠っている田村様では、少し不安があると言うか……いえ、そんな貴方様も素敵ではあるのですが……!」
 
「……? 良く分からないけど、邪魔をするなら倒して進む。ぐー……」

- 3 -

- 2 -

- 1 -

- FIGHT -






 VS月見匠哉

 ???
「なッ、真が壱丸を倒しただとッ!?」
 
「……匠哉がいる。ぐー……」
 匠哉
「あっ、しまった――……って、別に隠れる必要もないか」
 匠哉
「で、だ。一体どうしたんだよ、お前は」
 
「どうした、とは? ぐー……」
 匠哉
「眠ったままなのに、何でそんなに強いのかって話だ。お前は、その『強さ』を封じるために眠らされたんだろ?」
 
「フッフッフッ……ぐー……」
 匠哉
「な、何だよ、気持ち悪いな。そしてそれ以上に意味が分からんな」
 
「今の僕を見た以上、生かしてはおけない。ぐー……」
 匠哉
「――はぁッ!!? お前、ノリに任せて何言っちゃってんのッ!!?」
 
「フッフッフッ……ぐー……」
 匠哉
「だから気持ち悪いっつーのッ!!! 笑うか寝るかどっちかにしろーッッ!!!!」

- 3 -

- 2 -

- 1 -

- FIGHT -






 VS美榊迅徒

 
「……ぐー……」
 迅徒
「やれやれ……出遭ってしまいましたね、田村家の鬼子」
 
「ぐー……」
 迅徒
「とは言え、重瞳を開いていないのなら、貴方は田村シンではなく田村真なのでしょう」
 迅徒
「ならば、貴方に用はありません。見逃してあげますから、私の前から消えなさい」
 
「……1つ、言いたい事がある。ぐー……」
 
「勘違いしているのかも知れないけど、田村真と田村シンは別人格じゃない。性格の違いを、名称で区別しているだけ。ぐー……」
 
「多重人格ではなく、多重性格。田村真と、田村シン――性格以外は何も変わらない。美榊静音を殺したのは、間違いなくこの僕。ぐー……」
 迅徒
「――……」
 迅徒
「……だとしても、です。暢気な貴方が相手では、闘う気も起きません」
 
「じゃあ、僕の方から喧嘩を売る。ぐー……」
 迅徒
「――何でそうなるんですかッ!!? ああもう、本当に訳が分かりませんよ貴方はッ!!!」

- 3 -

- 2 -

- 1 -

- FIGHT -






 VS倉元緋姫

 
「……ようやく見付けた。ぐー……」
 緋姫
「貴方は……先輩の友達の、田村さん?」
 緋姫
「……へえ。一目で私の事を看破するなんて、さすがじゃないですか」
 
「目を閉じているから、見てはいないんだけど。ぐー……」
 緋姫
「……何故ここで、そういう惚けた事を言いますかね?」
 
「ぐー……」
 緋姫
「と、それより……今の田村さんからは、普段とは比べ物にならない程の理力を感じます。私が街を緊張させるために撒いた情報子を取り込んで、自分の外形能力を強化しましたか」
 緋姫
「まったく、器用な人ですね。そこまでするくらいなら、素直にその重瞳を開けば良いとも思いますが……それを言うのは、さすがに無粋ですか」
 
「……とにかく、情報子をばら撒くのは止めて欲しい。ぐー……」
 緋姫
「そうした方が効率的なんですよ、色んな人が出て来ますからね。外形の蒐集が捗るんです」
 
「……ぐー……」
 緋姫
「ああでも、貴方は要りませんよ。『眠っている貴方』でも『重瞳に狂った貴方』でもない、『本来の貴方』なら――少しは、興味が持てたんですけど」
 緋姫
「と言う訳で、倉元緋姫わたしにやられて消えちゃってください」
 
「…………」
 ???
「――笑わせる。僕を殺したいのなら、神族の外形くらいは持って来い」
 ???
「今のお前は、ただの緋姫ニンゲン。狂うまでもない――眠ったままの僕でも充分だ」
 緋姫
「……ッッ!!!?」
 
「……ぐー……」
 緋姫
「はッ……大口を叩きましたね、田村さんッ!!!」
 緋姫
「いいでしょうッ!!! そんなに死にたいのなら、骨も残さず砕き尽くしてあげます――ッッ!!!!」

- 3 -

- 2 -

- 1 -

- FIGHT -






 VSマナ

 緋姫
「あァァあああ……ッッ!!!?」
 
「……僕の勝ち。外形を破壊されれば、君はかなり力を殺がれ――」
 緋姫
「あははッ、ははははは……ッッ!!!!」
 
「……?」
 緋姫
「勝ったと思うのは早いですよ? 何故なら――」
 マナ
「――まだ、マナわたしが残っているからねぇ」
 
「……っ!?」
 
「外形を、変更した? そんな余力が残っていたとは……ぐー……」
 マナ
「まったく、この外形は余り好きじゃないんだよ。でもまぁ、こうして兵器として使うならば便利かな」
 
「……ぐー……」
 マナ
「ふふ、何だか余裕がなくなったねぇ……お望み通り、神族の外形を纏ってあげたのに」
 
「……ああいう冗談を本気にするのは、良くないと思う。ぐー……」
 マナ
「ははは、ゴメンゴメン。でもほら、口は災いの元って言うでしょ?」
 
「ぐー……」
 マナ
「さようなら、真ッ!! 災禍に呑まれ、永遠の眠りに落ちるがいい――ッ!!!」

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- 1 -

- FIGHT -






〜エピローグ〜

 マナ
「くッ……さすがに、限界か」
 
「ぐー……」
 マナ
「仕方ない、今回も大人しく消えるよ。これ以上マナわたしでいたら、本当にマナわたしになっちゃうし」
 
「……僕も疲れたから、その方がいい。ぐー……」
 マナ
「でも、分かってるよね? 私はすぐに力を溜め込んで、再び外形を質量化させ――」
 
「ぐー……」
 マナ
「――って、こらぁ!? 帰ろうとするなぁッ!!!」
 マナ
「私、まだ喋ってる途中ッ!!! 背を向けるな、スタスタと歩き去って行くなーッッ!!!!」
 
「ぐー……」






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